2022.09.10 - 全日本ラリー選手権 第7戦 RALLY HOKKAIDO Leg1
シリーズ山場のグラベルラリー初日を終えて、新井が2番手、鎌田が4番手
9月10日(土)、2022年全日本ラリー選手権第7戦『RALLY HOKKAIDO』の競技初日が行われました。スバルWRX STIの新井敏弘/田中直哉はJN1クラスの2番手につけ、最終日での逆転優勝を狙います。また、鎌田卓麻/松本優一は同クラスの4番手につけています。
■首位争いを展開した新井、鎌田はポディウム圏内も視野に
全8戦で開催される2022年の全日本ラリー選手権。シーズン2戦目のグラベルラリーとなる第7戦は、北海道帯広市を拠点として周辺エリアにスペシャルステージが設定されます。今年は3年ぶりに有観客での開催を実施。さらに、昨年迎えた開催20周年を記念しての『20th+1イベント』が各種行われ、競技スタートに先駆けて9日(金)には、帯広駅北側の駅北多目的広場と平原通りで、ラリーショーとセレモニアルスタートが行われ、多くの観客でにぎわいました。
9月10日(土)に行われたラリーの初日は、帯広市から北上し、陸別サーキットを走行する4.63kmのステージを3回、その間に陸別町と足寄町の2SSを2度走行する計7SS、85.93kmの構成。SS2/5“YAM WAKKA”はイベント最長の23.49kmというロングステージとなりました。天候は、前日のレッキから快晴に恵まれ、ドライコンディションのもとで競技が行われました。
SUBARU勢は、新井がSS2で首位に立つと、SS4までその座をキープ。午後も大きなトラブルもなく走り切りましたが、順位をひとつ下げ、首位の勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)に12.6秒差の2番手から、最終日の逆転を狙います。
一方の鎌田は、SS2でジャンクションをオーバーシュートして13秒近くタイムをロスする場面もありましたが、続くSS3では3番手タイムをマーク。この日を通して4番手につけ、ポディウム圏内浮上を目指して最終日に挑みます。
なお、SUBARU BRZが参戦するJN3クラスでは、加納武彦/横手聡志、竹内源樹/木村悟士がそれぞれクラス3番手、4番手につけており、最終日での順位アップを狙います。
■新井敏弘「影響の少ない明日のステージに期待」
JN1クラス2番手につける新井は、「クルマには特に問題はありませんが、最高速がもう少しあるといいですね。でも明日は最高速が影響するステージはないので、なんとかトップに追いつくことができるよう頑張ります」と語っています。
クラス4番手でこの日を終えた鎌田は「頑張っているのですが、なかなかタイムに結びつかなくて。最後のステージでは、別の車両がコースオフしていた関係で、3~4秒ロスしてしまったこともアンラッキーでした。最終サービスで少しエンジンに問題を見つけたので、それが解決につながればいいなと思っています。エンジンさえ復調すれば、結果もついてくるでしょう」と、期待を寄せています。
競技最終日の9月11日(日)は、SS8~SS10の3SSで争われます。SS8/10 OTOFUKE REVERSE(6.12km)と、SS9 PAWSE KAMUY REVERSE(9.91km)で構成され、この日のステージ距離合計は22.05km。グラベルラリーを得意とするSUBARU勢ふたりの巻き返しにご期待ください。
2022.09.11 - 全日本ラリー選手権 第7戦 RALLY HOKKAIDO Leg2
新井敏弘が3位で今季3度目の表彰台を獲得
9月11日(日)に競技最終日が行われた全日本ラリー選手権第7戦RALLY HOKKAIDOは、スバルWRX STIの新井敏弘/田中直哉がJN1クラス3位、鎌田卓麻/松本優一が4位でフィニッシュしました。
■渾身の走りで3位の新井、鎌田は好感触を得ての4位
ラリー最終日は、SS8~SS10の3SS、SS8/10 OTOFUKE REVERSE(6.12km)と、SS9 PAWSE KAMUY REVERSE(9.91km)のSS走行距離22.05kmで争われます。この日もラリーエリアは晴天に恵まれ、コンディションはドライに。JN1クラスの2番手で初日を終えた新井は逆転を目指しましたが、この日最初のSSで奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)に逆転を許して3番手に順位を落としてしまいます。
新井はその後のSS9でベストタイムをマークし、2番手との差を0.4秒にまで短縮することに成功。再逆転を期して最終ステージに臨み、力走を見せたものの一歩及ばず。それでも3位でフィニッシュを果たし、今季3度目となる表彰台に上がりました。
前日のトラブルを解消した鎌田は、最終SS前のサービスでサスペンションを交換するなど、今後に向けて積極的なチャレンジをしながら順位をキープ。最終的に4位でフィニッシュしました。
なお、SUBARU BRZが参戦するJN3クラスでは、加納武彦/横手聡志、竹内源樹/木村悟士がそれぞれクラス3位、4位に入っています。
■新井敏弘「限界まで攻めた結果。3位は仕方がない」
JN1クラス3位に入った新井は、「走りは完璧でしたし、おそらく限界まで攻めていました。あれ以上は無理でしたね。ミスも一切ありませんでしたし、WRX STIから引き出せるものはすべて出せました。これで負けたら仕方ないと思えるほどです。最終戦でも引き続き頑張ります」と語りました。
一方、クラス4位でフィニッシュした鎌田は「最後はテストも兼ねてサスペンションを交換しましたが、感じは良かったので、次に活かしたいです。ラリー自体は途中で色々とトラブルもあって、苦戦してしまいました。グラベル連戦の間に、ターマックラリーの次戦ハイランドマスターズに向けて試していることもあります。自分たちは舗装でのフィーリングが良かったので、そこを伸ばしていけば表彰台を目指せるはずです」と意欲を語りました。
■ディーラーメカニックコメント「声かけの大切さをあらためて感じました」
・担当車両:(WinmaX DLシムス WRX STI)
・小杉翔
・大阪スバル株式会社 泉佐野店 メカニック
子どもの頃に父親からミニカーをもらってからクルマが好きという小杉。「入社説明会でこうした活動に参加できることを知って、スバルに入社しました」といい、これまでにもTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースにメカニックとして参加したこともあるものの、ラリーは今回が見るのも初めてだったといいます。実は2年前にも参加が決まりましたが、新型コロナウイルスの感染流行の影響で中止に。2年越しでラリーでの作業参加が実現しました。
「20分という短い時間の中でのサービスは不安でしたが、練習していくうちに手応えを感じました。普段の仕事の経験が基礎となっていると思います。ラリー現場ではリフトがありませんが、各部の緩みのチェックなど、行う作業はお客様のクルマと基本的に同じですので」と語ります。
普段の作業では一台をひとりで担当する中、ラリー現場では複数のメカニックで一台の作業をこなすという環境について聞くと「あらためて、声がけの大切さを痛感しましたし、普段行っている基本の作業が重要だということが良く分かりました。ほかの店舗から来ているメカニックとも打ち解けられたので、やりやすかったです。色々な人と一緒に作業する機会はあまりないので、刺激になりましたね」とのこと。
最終サービスでは、鎌田卓麻の車両にサスペンション交換のオーダーが入るという局面も。「指示を聞いた時には、すごくドキドキしました。緊張しましたが、周りの方とサポートしながら問題なくできたと思います。無事にサービスに戻ってきた時は、うれしく思いました」と笑顔で語ってくれました。
次戦は10月14日~16日に開催される今季最終戦、第8戦「M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2022」です。岐阜県高山市を拠点として行われる舗装路(ターマック)ラリーは、秋の山岳路を舞台としたシーズン締めくくりのラリー。スバルWRX STIが見せる走りにご期待ください。