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高速でやられたことない!? ウォッシャー攻撃は違法なのか問題

 雨なんて降っていないのに、フロントガラスが突如濡れてる!! なんて経験したことのある人も少なくないハズ。

 多くの場合、先行者がウォッシャー液を使用し、それが自車にたまたま届いてしまったってなもんだが、なかにはワザと仕掛けてくる輩も。それがウォッシャー攻撃であるが、これってそもそも違法なのか!?

文/近藤暁史、写真/SUBARU、SUZUKI、TOYOTA、AdobeStock(トップ画像=yamasan@AdobeStock)

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■車検で引っかかることも!! 超重要だったワイパー

車検の際、意外と重視されるワイパーとガラスウォッシャー。機能するかだけでなく、ウォッシャー液の噴射範囲も確認される(Елена Гурова@AdobeStock)

 フロント、そして車種やグレードによってはリヤにも付いているウォッシャー。ワイパーを組み合わせて装着されていて、使い方はもちろん、ガラスが汚れたときにウォッシャー液を噴射するというモノ。

 ひと拭きでスッキリってことには必ずしもならないが、あるとないとでは大違い。また車検時には汚れていても視界が確保できるかということで、その作動をチェックされる装備でもある。

 車検では機能するか否かだけでなく、その噴射範囲も確認され、あまりに中心部分に当たらないような場合は、修正を求められることもある。調整自体は簡単なので、再受験というよりも、その場でもう一度確認してもらう程度である。

 だが、ここでのポイントはライトの光軸のように、使っているうちにズレるということ。また、ワックスカスや汚れなどが詰まったときも、きれいに噴射されないことがある。

■かつてウォッシャー攻撃は常套手段だった! ティッシュ攻撃する輩も

 あまりにずれているとウインドウを飛び越えて、ルーフのほうにも飛びまくることがあるからやっかいだ。高速道路など、スピード領域が高いところを走っていると、雨でもないのに突然水滴が飛んできてビックリした、という経験は誰にでもあるのではないだろうか?

 ちなみに信号待ちなど、止まっている場合はウォッシャー自体の噴射力はそれほどでもないので、後続車にかかることはなくて、やはり高いスピードで巡航しているときに飛んできやすい。

 基本的にはガラスが汚れたのできれいにしようと思ってウォッシャーを噴射したら、後ろのクルマにかかっちゃった、というのがほとんどだろう。しかし、中には故意に噴射されることがある。つまりウォッシャー液噴射はあおり運転の一種というか、あおりテクのひとつだったりするのだ。

 昭和から平成半ばにかけては高速道路を中心にあおり運転が全盛だっただけに、さまざまなあおりテクが存在した。現在のように後ろにべったりとくっ付いたり、前に割り込むといったあおり行為だけでなく、けっこう小技があった。

 たとえば、ウォッシャー液攻撃やティッシュをサンルーフから投げるなどで、とくにウォッシャー液についてはわざわざノズルの向きを変えている輩もいたほど。

 これらのポイントは、当たってもキズが付いたり、破損することがないことで、ビックリするだけ。もちろん高速道路を走っていてビックリさせられるのは、危険ではあるので、あおり運転と言って差支えがない行為ではある。

■罰則は原則なし!! 立証するのが超ムズイ

ウォッシャー液が飛んできたのが故意か偶然かを判断するのは極めて難しい。「こっちのガラスまで綺麗にしてくれてありがとね〜」くらいの広い心でいこう(ville@AdobeStock)

 ウォッシャー液やティッシュも最近はかなり減っているのだが、昨今のあおり運転厳罰のなかで、これらも対象にすることはできるのだろうか? された側の当事者としては、悪意があるのかないのかは一目瞭然ではあるので取り締まってほしいと思うのは当然だ。

 交通課で日々取り締まりにあたる、知り合いの警察官に聞いてみたところ、「ウォッシャー液が飛んできたのがドライブレコーダーに映っていても、故意であることを証明するのはかなり難しい。もし捕まえて事情を聞いても汚れていたから使っただけと言われたらそれまで」という返事が返ってきた。

 弁護士に聞いても同様で、「前方で進路を塞ぐようないわゆるあおり運転と一緒にやっていれば別だけど、そうでなければ本人が否定すればどうしようもないだろう」とのこと。

 そのほかの各関係者に聞いても同様で、捕まえられるとするなら「何回も繰り返してやられれば悪意は認められる可能性はある」という程度だった。

 いずれにしても、故意でもウォッシャー液をかけられた程度で、警察が動いてくれるかというのははなはだ疑問だ。結局、この曖昧さからウォッシャー攻撃をする人間は逆手に取っているのだが。

 対策としては、あおり運転全般と変わりなく、危うきに近づかずというのが基本。よく言われるように、あおり運転をされる場合、なにかしらのきっかけがあることが多い。追い越し車線を延々と走り続けるなど、そういったことも避けるべき。

 あとは気持ちの問題で、やられてカッとすることもあるかもしれないが、しょせんはすぐに乾いてしまうウォッシャー液が付いただけ。被害なんてなにもなし! と、冷静になるのも対抗策のひとつだろう。

 ワザとされたと思いきや、汚いから噴射しただけとか、本当にノズルがずれていたというのもあるので、静観しているのが一番だろう。

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