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 9月18日に行われた2022年のスーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』決勝。シーズン3度目のポールシッターとなった61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)は、序盤から降り出した雨に翻弄され、8位という結果に終わった。

 レース終了直後、前半スティントを担当した井口卓人は「スタートからすごくクルマのバランスが良く、去年の勝ちパターンに絶対入り込めるなという自信がありました」と振り返る。ただ、井口に「自信があった」のは序盤の数周だった。

 オープニングラップでのセーフティカー導入も跳ね除ける好ペースで周回を重ねた井口は、11周目には2番手に4.465秒のリードを築いていた。しかし、12周を過ぎた頃から雨が降り始めると、61号車井口は上位勢で最も早い14周目というタイミングでピットインを敢行し、ウエットタイヤに替えることを選択した。

「雨粒が落ち始めてからは、どうしてもGT3勢に対して(ペースが)少し厳しい部分もあり、先にウエットタイヤに変えるしかなかったという感じでしょうか……。けど、あの時点ではリスクを負うことはできなかったので判断としては仕方がないのかなという感じです」と、井口はその時の状況を振り返る。

 ウエットタイヤに履き替えてからは、ドライタイヤのままステイを選択したGT3勢を追う立場となった井口。しかし、その後も天候の変化に翻弄されることとなった。

「(路面が)濡れているときは前後のライバルのタイム、そしてスリック勢のタイムを聞いても『ぜんぜん追い上げていける』という感覚が強くありました。ただ徐々に路面が乾き始めると、タイヤの磨耗状況も含めて簡単には走れないような状況になり、コース上に留まることすら苦しい感じでした。ウエットタイヤの種類というか、僕らが選んでいた物が厳しい方向に行っちゃったなと感じています」

 天候に翻弄された一戦を、厳しい表情で振り返った井口。

「でも、今までは難しいレース展開になるとポイントすら取れないことが多かったので。8位でチェッカーを受け、しっかりとポイントを取れたことはチームの自信になると思います」

 また、後半スティントを担当した山内も「荒れたなかでも僕たちのベストは尽くせたかなと思います。最低限ポイントを持ち帰ることはできましたし、シリーズ的にはまだ(2年連続王者獲得の)可能性を残せているので、また挽回できるように頑張りたいと思います」と決勝を振り返った。

 第5戦鈴鹿終了時点でランキング3位につけていた61号車は第6戦SUGOを終えてランキング4位に後退。ただ、ランキングトップにつける56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rとのサクセスウエイトの重量差は11kgから18kgへと広がったこともあり、第7戦オートポリスに向けてはポジティブに捉えているようだ。

「オートポリスは、タイトルを争うライバルと比べれば、僕たちのサクセスウエイトは軽い状況です。あとは本当に連勝するんだという気持ちを持たないと、チャンピオンという目標は難しくなると思います。タイトルを掴むため、軽さを武器に戦いたいと思います」と山内。そして地元戦を迎える井口は「地元のみなさんの前で、そして最終戦も含めてラスト2戦とも勝ちに行くんだという気持ちで、精一杯集中して頑張りたいと思います」と語った。

 第6戦を終えて、ランキングトップ3をニッサンGT-RニスモGT3が占める状況へと変わった。重量級の3台を追う立場となった61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは、車重の軽さを武器に、2年連続タイトル獲得に向けた正念場を迎える。

2022スーパーGT第6戦SUGO SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
2022スーパーGT第6戦SUGO SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)