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Image:YouTube(iFixit)

デジタル機器新製品の分解で知られる修理業者iFixitは、iPhone 14標準モデルの分解動画を公開した。同社CEOのKyle Wiens氏は、このデバイスの内部設計がより修理しやすく改良されており、2017年発売のiPhone X以降において、最も目覚ましいiPhoneの再設計だと称賛している。

すでに複数のレビューで言及されているが、iPhone 14/14 Plusの標準モデルでは、iPhone 4s以来「初めて、裏側から開けられるiPhone」となっている。それ以降は、ディスプレイ側から開く他なかったのだ。

今年の標準モデルでは、ディスプレイと背面ガラスパネルは、2つのネジと1~2つのコネクタだけで固定されており、両方とも簡単に取り外して交換できるようになった。Wiens氏は「これはアップルの重大発表に値することで、iPhoneは修理がしやすいよう内部から設計し直されている」と評している。

基本的には両モデルとも、ディスプレイと背面のガラスパネルが、内部パーツの大半を収納するミッドフレームを挟み込むサンドイッチ方式となっている。米MacRumorsが見たアップルの内部文書によれば、アップルストアおよび認定サービスプロバイダの修理業者は、ディスプレイや背面ガラス、背面カメラに破損がない限り、ミッドフレームだけを交換できるそうだ。これにより、破損状況によっては、修理がこれまでより安価に行えることが増える可能性もある。

さらにミッドフレームは「構造を支える金属製」であり、iPhone内すべての再設計を伴っており、周辺の防水効果を倍にした」とも付け加えられている。

もっともアップルの内部文書によると、iPhone 14/14 Plusの背面ガラスだけを交換した場合でも、公式ソフトウェア(System Configuration)による調整プロセスが必要とのことだ。このプロセスを踏まえなかった場合、何が起こるかは不明だ。が、アップル製品のパーツを非純正品に交換したり、公式ツールで調整しなかったとき、警告やエラーメッセージが出ることは珍しくない。

またiFixitはiPhone 14 Pro Maxモデルも分解している最中だそうだが、こちらはディスプレイ側からしか開けない構造は変わっていないと述べられている。

そのほか興味深いのは、iPhone 14とiPhone 14 Proともに、米国モデルでは物理SIMカードスロットがあった場所(日本モデルでは現在もある)に「大きな隙間」があることを指摘している。米国モデルはeSIM専用となり、物理SIMが使えなくなったことが話題を呼んでいたが、内部設計にまではおよんでいないようだ。