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 塩野義製薬はこのほど、グループの平安塩野義(香港)有限公司が韓国製薬大手イルドン・ファーマシューティカルズと、新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」の韓国での緊急使用に向けたライセンス契約を締結したと発表した。塩野義が日本を中心にアジアで実施している第2/3相臨床試験(P2/3)データをもとに、イルドンは韓国での緊急使用許可申請と承認取得後の政府購入を目指し、当局との協議を行う。

 今回の契約で平安塩野義香港は、一時金と承認取得後の政府向け販売量に応じた一定の収益を獲得する。金額は明らかにしていない。通常の承認申請と販売に関しては、日本を除くアジアでのゾコーバの独占的開発・販売権を持つ平安塩野義香港と塩野義、イルドンの3社で引き続き協議する。

 またイルドンは韓国での製造権の許諾を受け、塩野義と平安塩野義香港の技術支援の下、韓国向け製品の製造を担う可能性もあるという。イルドンへの技術移管完了まで、塩野義グループから製品を供給する見通し。

 契約による今年度業績への影響は、今後状況に応じて精査する。

 塩野義は、現在ゾコーバの海外での実用化を目指し、中国での承認に向けたデータ提出を行っているほか、入院をともなわない患者を対象としたグローバルP3を実施中。一方で、国内では緊急承認制度での承認が見送られ、継続審議となっている。

The post 塩野義、コロナ飲み薬「ゾコーバ」、韓国企業に導出 first appeared on 化学工業日報.