人気バトルロイヤルゲームのスマートフォン版である『PUBGモバイル』が、新たなチート対策技術を導入し、チーターの数を半減させたと発表している。
チートとは、ゲームのバグを利用したり不正なプログラムを使うことで、本来はできないはずの行為を可能にする“ズル技”のことだ。チートを行うユーザーは一般的に「チーター」と呼ばれ、運営側に検知された場合はアカウント停止などの処分を受けることが常である。
開発元のKrafton社が新たに導入した「Fog of War Anti-Cheat System」は、モバイルゲームでは初の試みとのこと。透視やウォールハックといった、敵の位置が壁越しに見えるチートが使われると「プレイヤーが受け取るゲーム情報」を制限するかたちで機能するという。
これまでは一部にしか実装されていなかったものの、本システムを使ったロビーでは透視チートが「50%以上」減少し、「主要な地域では」最大62%も減少したとのことだ。
本システムについてKrafton社は、簡単な説明を提供している。まず「PUBGモバイル」の巨大なマップ上にある全ての建物と地形をスキャン。そして「本来プレイヤーに見えるはずのもの」をAIにより判断し、その特定の情報のみがサーバーからプレイヤーに送信される。つまり、見えるはずがない情報は送られないため、透視チートに歯止めがかかるとのことだ。
Krafton社は今後、「PUBGモバイル」の全モードにこのシステムを徐々に展開していくと表明している。本作において「チートは完全に容認できない」ものであり、「プレイヤーが安全で楽しく、公平な体験ができることほど重要なことはない」と主張しているしだいだ。
かたや「PUBGモバイル」の兄弟作であり、バトルロイヤルゲーム人気の火付け役となった「PUBG: Battlegrounds」(「ドン勝」の異名もある)は、2022年1月から基本プレイ無料に移行しており、それ以降は新規プレイヤーが毎日8万人以上も増えていると発表している。
これほどの勢いでプレイヤー数が増加していることを、Krafton社は基本無料プレイに切り替えたほか、「すべての人にとってより公平な競争の場を確保する」ことを目的とした「より厳しいアンチチートプログラム」の成果だと分析している。
今月9日に発売されたNintendo Switch用『スプラトゥーン3』もマルチプレイは大盛況だが、すでに「スペシャルウェポン使い放題」などのチーターが発生しているとの疑惑が浮上している。顔も知らない同士が集まるオンラインマルチプレイでは、“ズル”を許容しないことがコミュニティを長く存続させるために必須であり、運営側は厳格かつ早急な対応が求められそうだ。
- Source:Gamesradar