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 自動車の装備は日進月歩で進化しており、ひと昔前では夢物語であった手放し運転も一部の条件が揃えば公道上で行うことも可能となっている。

 そんな進化する自動車の装備の裏で、光るスピーカーやつり革などなど……ひっそりと消えていった(少なくなった)装備やアイテムなども数多く存在している。今回はそんな最近ではすっかり見なくなった懐かしの自動車アイテムを振り返ってみたい。

文:小鮒康一/写真:Adobestock

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■謎ブームだった「つり革」の装着

なぜか昭和時代にブームとなった、車両後方につり革をぶら下げるカスタム(?)

 路線バスや電車などでおなじみのつり革だが、これを車両に装着するというカスタム(?)が昭和の時代に流行していたことがあった。

 車内のアシストグリップに装着するだけでは飽き足らず、車両の後部にぶら下げて走行するという謎のブームもあり、今でも昭和的なカスタムを施した車両が装着しているケースも見ることができる。

 これはアースベルト(車両後部に装着し、路面と接触することで静電気の発生を抑えるというモノ)から派生したカスタムとも言われているが、効果のほどは……?

■超イケてた!! 光る置き型リアスピーカー

 バブル時代を中心に人気を博したのがリアトレイに置くタイプの社外スピーカーで、イルミネーションの配線を繋ぐことでメーカーロゴが光るというのが圧倒的にイケている時代があった。

 そもそも当時はまだまだセダンタイプのクルマが全盛であり、リアトレイにスピーカーを置くスペースがあったということもあるが、ミニバンやSUVのようなハッチバックタイプが主流となった現在では、そもそも置き型スピーカーを見ること自体がレアとなっている。

 ちなみに当時は光るメーカーロゴをウインカーやブレーキと連動させるカスタムが流行していたが、現在は保安基準に適合しない場合もあるので注意が必要だ。

■グリルに付けたJAFバッジ

 自動車にまつわるさまざまなサービスを提供している一般社団法人 日本自動車連盟。いわゆる「JAF」の会員であることを示すバッジ。当時はそれをグリルに装着している人は年輩のユーザーしかいないイメージだったが、近年は昭和感を醸し出すアイテムとしてあえて装着している人もいるようだ。

 ただし、最近の車両ではグリルにバッジを装着しにくい形状となっている車種が増えてきていることから、JAFでは平成7年からステッカーへと変更しており、実はレアアイテムと化している。

 一応JAF会員が利用することができる通販サイトではアクリル加工を施したカーバッジを販売しているが、3,685円とまあまあ高額となっているのだ。

■セレブの象徴だったリアの後付けアンテナたち

 VIPセダンなどでよく見ることがあったリアのトランク端に取り付けられたアンテナや、リアウィンドウ両端にV字型に飛び出たアンテナ。

 このトランク端に付けられたアンテナは当時の自動車電話のアンテナであり、携帯電話が普及する前はセレブの象徴のひとつだった。そしてV字型のアンテナは、当時のカーナビのテレビ用のダイバーシティアンテナとなっており、こちらもナビが高級品だった頃はお金持ちアピールになったのである。

 もちろん現在は携帯電話が普及し、カーナビのテレビも地デジとなったことでこれらのアンテナは無用の長物となっているのだが、これもまた当時仕様を作る上でのアクセントとなるようだ。

■Bluetoothなんてない!! MDデッキが一番ハイテクだった

1993年に登場したR33型スカイライン。このクルマの上位グレードにはMDプレイヤーが標準装備され当時話題になった

 1990年代前半に登場したMD(ミニディスク)は、CDよりもコンパクトかつ音飛びがしにくいメディアとして、一時期のカーオーディオに多く採用されており、車種によっては標準装備となっていたものもあったほど。

 しかし、2000年代に入るとコンパクトかつ大容量なiPodに代表されるデジタルオーディオプレーヤーが普及し始めたため、MDの人気は一気に下落して過去のものとなってしまった。

 そもそもMDは音楽データを圧縮していたため、音質に拘るユーザーにとっては物足りないモノであったことに加え、日本国外ではほとんど普及していなかったというのも早々に姿を消して要因のひとつだった。

■今ではデジタル化された後付け傾斜計

 80年代後半から巻き起こったRVブームでは、パジェロやビッグホーンのような本格的なRV車のほか、スプリンターカリブのような今でいうクロスオーバーSUVのようなモデルまでが人気を集めていた。

 そんな時期に多くの車両のダッシュボードの上に装着されていたのが、車両の前後左右方向の傾きや向かっている方角が分かるクライノメーターと呼ばれるものだった。

 一部車種では純正もしくはオプション装備としてラインナップされており、装着率もかなりのものだったが、実はこのアナログなクライノメーターは現在でも販売されているほか、デジタル化がなされたもののほか、スマホのアプリでも存在しているので、気になる人はダウンロードしてみるのも面白いかもしれない。

 このように、近年多くの装備やアイテムが登場した影でヒッソリと姿を消したものも数多く存在している。しかし、そんなアイテムが当時を思わせるものとしてマニアックな若い世代のユーザーに愛されているというのもまた面白いところ。

 もし倉庫に当時のアイテムが眠っているようであれば、ネットオークションやフリマサイトに出品すると思わぬ高値となる可能性もあるかもしれない?

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