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 塩野義製薬は28日、開発中の新型コロナウイルス感染症経口薬「ゾコーバ」の最終段階の治験結果速報を発表し、症状が消えるまでの時間が有意に短縮できたことを明らかにした。日本、韓国、ベトナムで1821人を対象に行った治験の結果で、主要評価項目を達成した。今後、同社は厚生労働省などと承認審査と審議に向けて、協議を進めていく。

 3カ国で実施した第2/3臨床試験(P2/3)フェーズ3パートの結果。ゾコーバを1日1回、5日間、経口投与し、症状の改善効果を検証した。主要評価項目は、オミクロン株流行期に共通してみられた鼻水・鼻づまり、喉の痛み、せきなどの呼吸器症状、熱っぽさ・発熱、倦怠感といった5症状が消えるまでの時間。厚労省などと協議のうえ、設定した。

 5症状が消えるまでの時間を偽薬投与群と比較すると、約24時間、短くなっており、統計学的に有意な結果が確認できたとした。また、副次評価項目であるウイルスRNA変化量も大きく減っていた。重篤な副作用などもなく、これまでの治験同様、良好な安全性が確かめられたともしている。

 今春に政府が創設した「緊急承認制度」を利用し、塩野義はゾコーバの申請を行っていた。だが、7月の審議会では「継続審議」との結論が下され、進行中のP2/3フェーズ3の結果などを待ったうえで、改めて検討することになっていた。今回のデータは厚労省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)と「共有ずみ」(同社)としている。

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