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国産ライトウェイトスポーツの最高傑作

日産(ダットサン)サニートラックと言えば、1971年生まれのクルマとしては今なお馴染み深い存在であり、現在も街で見かけることすら少なくない。これはもちろん、1994年までという長きに渡って販売されたことが大きいが、寿命を延ばした理由はそれだけではないだろう。FRの操縦性やA型エンジンのいじりやすさ、そしてその軽量さから本気のスポーツカーとして、あるいは気軽にカスタムを楽しめる「今手に入る旧車」として、高い人気を獲得したことがその一因として挙げられる。

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23年間に渡って販売されたサニートラックは2代目・B110型系サニーをベースにしたモデルだが、サニーのトラック・バージョンは初代・B10型系から存在していた。1966年のサニー登場から1年遅れて1967年にデビューしたB20型がそれである。サニーは1970年にモデルチェンジを行いB110型系となったが、トラックはやはり1年後の1971年1月に発売。型式名はB120となる。

搭載エンジンはサニーと同じく1.2L 直列4気筒OHVのA12型で最高出力は68ps、これに3速(コラムシフト)または4速(フロアシフト)のミッションが組み合わされる。サスペンションは前ストラット/後リーフリジッドでセダンと同じだが、車体後半のフロアパネルは当然トラック専用のものだ。最大積載量は500kgで、グレードはスタンダードとデラックスがあり、それぞれにコラムとフロアの両シフトが用意されていた。

1973年5月には、サニーは再びモデルチェンジを行い、3代目・B210型系へと進化したが、トラックはB120型のままとなった。ただし、このフルチェンジと同時にロングボデー(GB120型)を追加している。これはホイールベースを230mm延長したもので、これに伴いプロペラシャフトは2分割式を採用、最大積載量は500kgで変化なし。

比較的大きなマイナーチェンジが行われたのは1978年4月のことで、コーナーラバー付きのバンパーと、かつてのクーペ用に似たフロントグリルを装着するようになったが、多くの人の記憶に残るサニトラは、おそらくこの姿であろう。細かなところでは、助手席サンバイザーが装備され、メーターが丸型に、フェンダーミラーがタルボ型になったのもこの時である。型式はB121/GB121へと変化。

1981年には排ガス規制適合に伴い型式がB122/GB122となり、1985年にはブランドを「ダットサン」から「日産」に変更。1986年に安全装備の充実化を行ったのち、1989年10月にはマイナーチェンジで角型ヘッドライトを採用。これに伴いフロントグリルが簡素なものになったほか、バンパーがブラックとなり、前輪ブレーキもディスクに、タイヤもラジアルに進化、シート生地などにも変更が行われている。NOx規制適合により型式はR-B122/R-GB122となったが、この5年後に販売終了となったのはすでに述べたとおりだ。なお、海外では2008年まで生産が続けられていた。

アメリカのJDMマニアの愛車をイメージして仕上げる
さて、サニートラックのプラモデルというものは長らく存在していなかった。B110サニーのキットとしては、比較的入手しやすいものとしてヤマダ/童友社のものがあり、これを改造してサニトラとする強者も見受けられたものである。しかし、2014年になってハセガワが新規金型で1/24スケール・キット化、カーモデラ―を驚喜させたのであった。再現されたのは馴染み深い中期型だが、のちに前期型および後期型もリリースされている(いずれも限定品)。ここでお見せしているのは、このハセガワ製キットを制作した作品だ。そのフィニッシュについては、以下、作者・松原氏の解説をお読み頂こう。

「近年、アメリカを中心に、アジアやヨーロッパなどで「日本の古いクルマ」が人気だ。主に1970~2000年代、日本のスポーツカー黄金期のクルマ達である。少し前には、自動車オークションでトヨタ2000GTが1億円という値段を付けたことでも話題になった。

アメリカではImport Car(輸入車)に対して『25年ルール』と通称される法律が存在し、『生産から25年が過ぎた車でないと公道を走れない』と定められている(当時アメリカに正規輸入されていたモデルは除く)。これは、生産から25年を過ぎたクルマに対しては現在の排ガス規制、安全基準などへの適合を求めない、という意味の法律なのだそうだ。

近年では、その25年ルールから、アメリカ人にとっても憧れであるスカイラインGT-R(R32、R33)が解禁となり、日本から中古のGT-Rが大量にアメリカ出荷されている。海外の自動車情報サイトには、アメリカのナンバープレートの付いたR32やR33が時折その姿を見せている。それどころか、ハコスカやケンメリなどといった旧車や、最近ではR32と同じ頃に生産されたフィガロやエスカルゴ、ビートなどといったかなりマニアックな車までもがアメリカに渡っているのだそうだ。日本では当たり前の日本専売車がアメリカの景色に溶け込んでいる姿を見ると、なんとも不思議な気分になれる。

今回はそんなサニートラックを、昨今のアメリカ的旧車ブームに引っ掛け、向こうのイベントにシレッと展示されていそうなサニトラとして再現してみることにした。アメリカでも、日本の旧車カスタムに準じたイジり方をしているのがここ最近のトレンド。そこに向こうっぽいステッカーを少々足し、『Speed Hunters』や『JAPANESE NOSTALGIC CAR』などといった、現地発信のWebサイトに掲載されていそうな車両の雰囲気を感じ取って頂けたら幸いだ」

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