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 音楽とドライブ。この相性のよさは多くの人を魅了してやまない。お気に入りのポップスをデートで聴くもよし、ジャズを聴いて都会の喧騒から少し距離を置くもよし、音楽は豊かなカーライフには欠かせないものだ。

 しかしクルマは音楽にはやや厳しい世界でもある。それがノイズだ。エンジンのサウンド、風切り音、そしてタイヤノイズが代表例だ。今回はタイヤノイズを極力抑えて、しかもハンドリングは上質さを感じるタイヤをインプレッションしていこう。

 その名も横浜ゴムの「アドバンdB V552」だ。インプレッションはサックス奏者の小林香織さん。繊細かつ力強い音を奏でるミュージシャンにとって、タイヤノイズはいかに影響するのか。そしてアドバンの血統はどう響くのだろうか。

インプレッション:小林香織(ベストカーWeb編集部まとめ)/写真:大西靖

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■タイヤからの音に丸みがある

サックスという楽器は時に力強く、そして時に繊細に。プレイヤーの心情もしっかり反映する楽器だ。小林香織さんはサックスとひたすら向き合う

 サックスといえば力強い低音からまるで心の声を奏でるかのような繊細な高音まで、その表現力の幅の広さが大きな特徴の楽器だ。編集担当自身は譜面はおろか、ト音記号すら書けるか怪しいほど音楽には疎い人間だが、楽器の持つ音色には興味がある。

 特にサックスなどの木管楽器は文字通り息を吹き込むことで音が出る楽器で、より奏者の心情やコンディションが演奏に出やすいものだという印象を持っている。

 そんなサックスを奏でるプロ奏者の小林香織さん。現在は松任谷由実さんのツアーに帯同するなど、その実力は日本のみならず海外でも知られているプレイヤーのひとりだ。

 今回アドバンdB(デシベル)に新設定されたSUV用サイズのインプレッションをするとなった時、静音性が大きな特徴ということもあり小林香織さんを起用することになった。さっそく編集部が用意したレクサスRX450hに乗り込み、ステアリングを握る。

「音に丸みがあるんです。不快な音がしっかりとチューニングされている印象を受けますね」

「あっ、音にすごい丸みがある」。

 さすがアーティスト。その感受性が凄い。アドバンdB V552は従来品よりも32%の騒音エネルギー低減を達成している。だてに「dB」を名乗っているわけではないのだ。

 レクサスRXにはマークレビンソンのステレオが装着されているのだが、クルマ自体が持つ圧倒的な静粛性に加えて、路面からのタイヤノイズが御されていることで車内は非常に落ち着いた音場へと変化していく。

「この楽曲懐かしいなぁ。ここのパートはあのスタジオで録ったよね。この音が本当に好き」。

 当日取材に帯同したマネージャーを務める妹さんとの会話も弾む。まったくの無音というわけでは当然ないのだが、タイヤからのノイズもキッチリと計算されていることはすぐに感じ取れる。まさに音に丸みがあるタイヤだ。

■柔らかさのなかに芯がある

高速道路での移動はまさに快適空間。ハイブリッド車だけでなく今後増える電動車にもアドバンdBのアドバンテージは大きいだろう

 試乗は一般道から高速道路にステージを移す。100km/hの高速域でも静粛性は保たれたまま。ジャズの音色が車内に心地よく残響する。小林さんの楽曲はどこまでも旅に出ていきたいような伸びやかなものが多い。まさにドライブ向き。

 そんななか運転していた小林さんが気になった点があるという。

「本当に乗り心地がいいですよね。しっとりしていて、鞣された革のような雰囲気。スムースな表面を感じるし、縦揺れとかも少ないです」。

 編集担当は事前の資料からタイヤの特性は充分知っていたのだが、今回はあえて小林さんにはなにも伝えていたなかった。小林さんの自然な言葉を伝えようという狙いは成功したようだ。

「レクサスのRXって初めて乗りましたし、正直女性が運転するには大きいと感じるクルマだと思うんです。でもこのタイヤは急にフラフラすることもないし、その逆にゴツゴツしている様子もないんです。静かだし、欲張りな人も満足しそう(笑)」。

しなやかという言葉がぴったりの万能プレイヤーだ

 アドバンdBだけにSUVサイズの完成度も言わずもがな。小林さんも全長4890mmのSUVをしっかり操り時折笑みもこぼれる。

「あー、わかりました。あの、なんて表現すべきか。”柔らかさのなかにも芯がある”というのがピッタリな言葉じゃないですか? 乗り心地も音も静かだけど、フラフラしていない。一本の芯が通っているんです。そういう人生歩みたいな。なんちゃって(笑)」。

■アドバンブランドの名に恥じない完成度

軽自動車からSUVまで。アドバンdBは後席で味わうだけではもったいない

 小林さんのインプレッションの精密さに自動車媒体の編集者もタジタジだが、最後に編集担当のインプレッションもお伝えしよう。個人的にアドバンdBの従来製品(V551)を愛車に装着していたことがある。

 音質の静かさや快適性についてはV551でも満足していたのだが、V552ではそのハンドリングの上質さにも磨きがかかっていることはぜひお伝えしておきたい。

 V551でステアリングからのインフォメーションがややダルに感じていたこともあったのだが、それは静粛性や乗り心地とのトレードオフの範囲としても受け入れられるレベルで大きな不満ではなかった。しかしV552は従来型よりもショルダーの角が立っている印象を受け、操舵感をグッと伝えてくれる印象が強くなった。

 そして繰り返しになるが静音性の高さも大幅に向上しており、さらに近年の横浜ゴムのアイデンティティでもある「ウェットa」採用サイズが46サイズと安心感も高い。そして14インチから20インチのサイズ展開で軽自動車からSUV/ミニバンまでも網羅できるのも嬉しい。

 アドバンdBは決してショーファードリブン専用ではない。このハンドリング、自らが味わないのはもったいない!!

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