あすから10月。食品値上げの荒波は収まるどころか、さらに強まるようだ。帝国データバンクの食品主要105社の調査では6500品目の値上げが予定されている。9月は約2400品目だったから2・7倍。春・夏を上回る「第三波」と表現している▼値上げの動きは昨年秋ごろからみられていた。当時は食用油の高騰が主な理由で品目は限定的だったが、小麦の大幅値上げに加えて原油高の影響が包装資材、容器、物流に波及。さらに急速な円安が重なった▼これだけコストが上昇したら企業が価格転嫁するのは当然といえるが、消費者が受け入れるかどうかは別問題。「家計の値上げ許容度は高まっている」訳ではない。値上げ率は軒並み10%以上。食品値上げによる1世帯当たりの家計負担は年7万円弱におよぶという▼もちろん財布の紐は固くなる。日本生協連のアンケートによると、節約をしたことの1位は「ふだんの食事」、2位は「外食」と主に食費を見直している。節約したい食品は「菓子・おやつ」「デザート・スイーツ・アイス」が上位。まず嗜好品の出費を抑えたい意識が見て取れる▼10月にはビール大手4社も値上げする。チューハイなどが含まれており、飲兵衛にとっては誠に痛いが、節酒をする良い機会になるかもしれない。自分は実行に移せるかどうか自信はないが。(22・9・30)
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