「中古車選びは販売店選び」と良く言われる。工場から出荷され、コンディションが均一である新車と異なり、中古車は1台1台コンディションが違う。だから一物一価と言われて定価がないのが特長なのだ。
中古車は各車がこれまで、どのように使われてきたのか、コンディションはどうなのかという目利きが必要で、販売店はスタッフが、その目利きでクルマを選んで店頭に並んでいるのである。したがって購入するユーザーは目の肥えた販売店のスタッフに味方になってもらうのが成功への秘訣といえる。
そこで、できれば中古車購入の際には友好関係を築きたい販売店スタッフに、ユーザーに言われて嬉しかったひと言と、言われて腹が立ったひと言を聞いてみた。たったひと言によって友好関係が壊れることがあるので注意したい。
文、写真/萩原文博
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中古車購入は商品の購入ではなく、周辺のサービスを含めた総合評価だ
今回は、知り合いの3軒の中古車販売店のスタッフに話を聞いた。言われて嬉しかったひと言は、口を揃えて「この店で買って良かった」だった。
加えて、素直に「この店でお世話になって本当に良かったです。今後とも宜しくお願いします」この言葉を聞いた時は、合格かなと感じるとのこと。
これは、商品のコンディションだけでなく、販売店のサービス、そして何よりも信頼できて安心して今回の中古車購入が行えたというユーザーの正直な気持ちから出た言葉に違いないはずだ。
中古車購入は商品だけでなく、販売店スタッフへの信頼が大きく影響する。すなわち中古車購入は人と人の絆が大切だと言えるのだ。したがって、「今回は良い買い物ができました。ではなくこの店で買って良かった」という気持ちになるのだろう。
中古車販売店のスタッフは、お客さんからの「この店で買って良かった」とうひと言のために、一生懸命努力していると言っても言いすぎではないだろう。
一方、言われて腹が立ったひと言を聞いてみた。まずは「買う気が無いのだけど、試乗したい。」と言う人だという。
展示してあるクルマは、販売店にとって財産そのもの。この大切な商品に対して、「買う気がないけれども、試乗したい」というのはかなり失礼な話だ。しかも中古車は必ず試乗できるわけではない。あくまでも中古車の試乗は販売店がリスクを背負った形でユーザーに提供されるサービスなのである。
真剣に取り組んでいる販売店に対して、「買う気になったら試乗させてもらえますか。」と聞くのがマナーではないだろうか。
しかし販売店スタッフは、「こういうお客様は、けっこうな頻度でいらっしゃいますけれども、だいたい乗っていただいてお買い上げいただいたことは一度もありませんでした。」と話してくれた。
最初から買う気はないけれども、試乗させてほしいというユーザーは、販売店にとってきっと買わないお客様だと思われてしまうということだ。こうなってしまうと、なかなか販売店との友好関係は築けなくなってしまう。
別の販売店スタッフは、逆に何か言われて腹が立ったことはないですが、「もうちょっと安くならないか」とか「これより安いのが他所にある」なんて話をされると、販売店側としても気持ち良くないですし、お客様が、きっと損しまうと思います。」と話す。
それは、販売店側も人間だから、そういう人にはきっとサービスしないけど、ウソでもなんでもヨイショしてくれるお客様には出来る限りのサービスをしてくれるものだと思います。と話してくれた。
自分は来店して頂いたお客様には、自分の販売店の特徴や良い点を探して伝えるようにしているので、嫌な目に遭ったことはないです。ただ、売却に来たお客様で聞いていたのと全然違うクルマを掴まされて、騙された~!という経験はありますという失敗談も話してくれた。
中古車の購入は納車してもらって終わりではなく、そこから販売店との付き合いが始まるのだ。このような長く付き合っていけるような販売店を見つけられれば、中古車購入で失敗はかなり減るはずだ。
価格の安さばかりに注目して販売店を選ぶと、購入した後に後悔することになるかもしれない。販売店スタッフはプロなのだから、リスペクトする気持ちで販売店を訪れてもらいたい。まさに口は災いのもとなのである。
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投稿 染みるわぁ…中古車販売店員がお客から言われて本気で嬉しい一言、腹立つ一言 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。