2022年11月1日からバイクに適用される「平成32年(令和2年)排ガス規制」。50ccを除いて規制に対応していないバイクは日本での販売ができなくなる。
そしてその波は当然大型の4気筒にも容赦なく押し寄せている。今回ここでは、ベストカー9月10日号(2022年8月10日発売)にて掲載された「スズキ GSX-R1000RとGSX-RR販売終了」の報をご紹介したい。
スズキ MotoGP・世界耐久選手権からの撤退、同じくラストとなるスズキ GSX-S750、ホンダ VFR800Fについても触れる。
※本稿は2022年8月のものです
文:ベストカー編集部、写真/SUZUKI、HONDA
初出:『ベストカー』2022年9月10日号
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■GSX-R1000RとGSX-RRが終了へ…
ミドルクラスのみならず、大型の4気筒にも生産終了の波が押し寄せている。
世界唯一の直4ナナハンであるGSX-S750、ホンダのシンボルだったV型4気筒のVFR800Fらが、ついに殿堂入りすることが正式発表された。
さらに大物が姿を消すとの噂が飛び交っている。なんとスズキの最高峰スポーツ、GSX-R1000Rが現行型で生産終了になる模様だ。
本作は、ビッグバイクへレーサーレプリカの概念を持ち込んだ1985年型GSX-R750の系譜に連なる栄光の一台。
初代R1000は2001年に登場して以来、市販車で戦うFIM世界耐久選手権(EWC)のベースモデルとして活躍し、2021年までに14回もの年間タイトルをスズキにもたらしている。
現行型は、モトGPマシンGSX-RRの技術をフィードバックし、2017年にデビュー。以降メカ的な変更はなく、新排ガス規制に対応せず販売が続けられている。
欧州では新規制の「ユーロ5」に適合していないと本来は発売NGなのだが、特例措置として従来型が継続販売中。日本では今年10月末生産分までしか販売できなくなる。
情報筋によると「このまま次期規制に対応せず、現行型で生産終了する」という。
■スズキはMotoGP・世界耐久選手権からの撤退を表明 復活の可能性は?
生産終了に合わせるように、スズキは7月13日、最高峰レースのモトGPと世界耐久選手権から今年限りでワークス参戦を撤退すると発表した。
スズキの鈴木俊宏社長は、「経営資源の再配分に取り組む」ため、参戦終了を決断。レース参戦のための資金をEV開発などに振り向ける。
しかし将来的にGSX-R1000Rが復活する可能性はゼロではない。
現にスズキのハヤブサは、前規制のユーロ4に対応せず、2017年型で終了。空白期間が続いたが、2021年型で現行のユーロ5に対応し、復活を遂げた。
GSX-Rもハヤブサと同様、一時の生産終了を経て、次期規制の「ユーロ6」で復活するかもしれない。なお詳細は未確認ながら、すでに次期型の開発がスタートしているとの情報もあるのだ。
近い将来、新型GSX-R1000Rの登場と同時に、モトGPと世界耐久への復帰を期待したい。
スズキは2012~2014年シーズンのモトGP参戦休止を経て、2015年に活動再開。翌々年に新型GSX-R1000Rがデビューした経緯がある。夢よ、もう一度!
■スズキ栄光の「ナナハン」もラスト!
「ナナハン」と言えば、昭和オヤジ世代憧れの排気量だったが、数を減らし、現行のナナハン直4はスズキGSX-S750のみ。
世界初の油冷直4を搭載したGSX-R750を筆頭に、スズキはナナハンへの思い入れが強い。各社が1990年代末期に750クラスの生産を終了するなか、2018年までGSX-R750を改良しながら継続。
同系のエンジンを積むGSX-S750も残念ながら排ガス規制に対応せず、今年10月末でのディスコンが決定した……。
【番外コラム】ホンダ栄光のV4もラスト!
V型4気筒はホンダの象徴の一つ。
世界GPでは2ストV4のNSR500、4ストV4のRC213Vで勝利を重ね、世界耐久ではRVF750、VFR750R(RC30)、RVF/RC45で快進撃を続けた。その末裔が現行のVFR800FとVFR800Xだ。
前者はスポーツツアラーとして欧州でセールス好調だったが、近年は需要がダウン。アドベンチャーのXも不振だった。加えてV4は排ガス対策が困難なこともあり、2022年型での生産終了が告知された。
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投稿 今月ラスト! スズキ栄光のGSX-R1000R・GSX-RRも販売終了へ… 去りゆく4気筒に最敬礼!!!! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。