2022年8月に日産フーガ、シーマ。ホンダインサイトが生産終了となり、9月にはホンダアコードが生産終了となる予定だ。トヨタクラウンもクロスオーバーへと生まれ変わり、国産セダンは絶滅の危機にひんしている。
このセダンより、絶滅危惧種となっているのが、オープンカー。ホンダS660が生産終了となり、現在新車で手に入るのは、レクサスLC、マツダロードスター/ロードスターRF、ダイハツコペンしかない。
秋のお彼岸を過ぎてから11月上旬までは晴天も多く、風も心地良くなりオープンカーのベストシーズンといえる。そこで、今回は滅びつつあるオープンカーを一度は体験しておきたい! という人に予算200万円以下で購入できる中古オープンカーを6車種紹介する。
文/萩原文博、写真/TOYOTA、NISSAN、VW、BMW、ベストカー編集部、池之平昌信
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2022年3月生産終了したホンダ「S660」&フェアレディZロードスター
オープンカーと言っても、ライトウェイトスポーツをルーツとするストイック系の2シーターオープンと、ラグジュアリー系の4ドアオープンの2種類にわけることができる。
まず、紹介するのはストイック系の2ドアオープンカーから。200万円以下の中古車で最も流通台数が多いのは、2015年4月~2022年3月まで販売されたホンダS660。
S660は、見て楽しい、乗って楽しい、あらゆる場面でいつでもワクワクする、心が昂ぶる本格スポーツカーを追求し、「Heart Beat Sport」をキーワードに、Hondaらしい「走る喜び」の実現を目指して開発されたミッドシップ2シーターオープンカー。
ストイック度は非常に高く、ラゲッジスペースすらないほどだ。スポーツカーの醍醐味である、曲がる楽しさを最大限に体感できるよう、高い旋回性能にこだわり、ミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)レイアウトを採用。低重心と理想的な前後重量配分である45:55を実現している。
搭載しているエンジンは、ベースはN-BOXと同じだが、走る楽しさを、誰でも気軽に味わえるようにしたい」という想いから、エンジンには低回転域から力強く、高いアクセルレスポンスを可能とする専用のターボチャージャーを搭載。トランスミッションには、当時軽自動車として初となる、新開発の6速MTとスポーツモードを備えた7速パドルシフト付CVTを採用している。
現在S660の中古車は約719台流通していて、価格帯は約125.8万~約560万円。そのうち約494台が200万円以下で購入可能となっている。約494台の中で6速MT車は約192台、CVT車が約302台と圧倒的にCVT車が多い。中古車の最低価格は6速MT、CVTともに約125.8万からとなっている。生産終了がアナウンスされた際に大幅に中古車相場が高騰したものの、平均価格は約217.4万円と落ち着きを取り戻している。
2シーターオープンカーからもう1台ピックアップしたのが、日産フェアレディZロードスター(Z33型)だ。Z33型フェアレディZロードスターは2003年10月~2008年11月まで販売された。
Z33型フェアレディZロードスターは、スポーツドライビングの楽しさに加えオープンでの快適な走りを追求。開閉時間約20秒という自動開閉式のソフトトップを採用している。
クーペ同様の動力性能などを達成しながら、“オープン時のデザインの美しさ”、“オープンでしか得られない快適な走り”そして“ソフトトップの容易な開閉操作”の3つの付加価値を実現している。
Z33型フェアレディZロードスターはクーペをベースとしているものの、ロードスター専用のボディ構造部品の追加、剛性のアップを行うことで、オープンボディながら高剛性車体構造を実現。また、ソフトトップ格納時の流麗なフォルムが特長だ。
現在、Z33型フェアレディZロードスターの中古車は約74台流通していて、価格帯は約59万~約398万円。予算200万円以下に絞っても約71台がヒットする。200万円以下の中古車のうち、MT車は約17台、AT車は約54台と圧倒的にAT車が多い。グレードでは装備が充実したバージョンTが多くなっている。
新型フェアレディZの納車は時間が掛かるが、オープンエアを手軽に楽しめるZ33型フェアレディZロードスターはすぐに手に入る。
絶滅の危機な4シーターオープンカー!! トヨタ4代目ソアラ&後継モデル レクサスSC
続いては、2シーターオープンカー以上に絶滅の危機にひんしているのが4シーターオープンカーだ。予算200万円で狙える中古4シーターオープンカーで、まず取り上げるのがトヨタソアラとその後継車のレクサスSCだ。
伝統の2ドアクーペからオープンカーへと生まれ変わった4代目ソアラは、2001年~2005年まで販売された。ソアラに採用された電動開閉式のメタルトップは、スロースタート・スローストップ制御により、開閉時間は約25秒の滑らかな動作を実現。また、メタルトップ格納時にはトランクリッド前方が開放され、ラゲッジルームへ荷物の出し入れの際には後方が開くトランクリッド両開き構造を採用しているのが特長だ。
インテリアに使用する素材は贅を尽くし、自然素材のウッドパネルや本革など高級素材を採用した。シートは張りのある本革表皮と心地良いタイト感を持たせた形状によりスポーティ感を強調している。搭載するエンジンは、最高出力280ps、最大トルク430Nmを発生する4.3L V型8気筒DOHCの1種類。組み合わされるトランスミッションは5速ATで駆動方式はFRとなっている。
現在、ソアラの中古車は約108台流通していて、中古車の価格帯は約40万~約299万円。そのうち予算200万円では約104台が購入可能となっている。
2005年のレクサスブランド日本導入の際に、トヨタソアラはレクサスSCへと生まれかわった。内外装は、レクサス独自のデザインフィロソフィ「L-finess(エル・フィネス)」に基づき、変更された。そして搭載するエンジンは、4.3LV8のままだが、組み合わされるミッションは滑らかな変速フィールとスポーティな操作性を実現したシーケンシャルモード付きの6速ATへ変更したのが特長。
そしてブレーキフィールを改善し、常に安定した制動性能を発揮できるように変更されている。また、先進装備としてテレマティックサービスG-Linkを採用するなど先進機能が搭載された。
レクサスSCの中古車は約92台流通していて、中古車の価格帯は約59.8万~約425万円。そのうち約57台が予算200万円で手が届く。圧倒的な存在感をほこるボディサイズと約30秒で開閉するメタルトップは古さを感じさせない。
予算200万円で購入できる4シーターオープンカーはソアラ/レクサスSCを除くとほとんどが輸入車となる。
輸入オープンカーも魅力的!! VWニュービートルカブリオレ&MINIコンバーチブル
続いて紹介するのはVWニュービートルカブリオレ。曲線を多用した個性的な外観デザインが特長のニュービートルカブリオレは2003年~2010年まで販売された4シーターオープンカー。
採用しているソフトトップは、高い防水&断熱性、防音性を実現した3層構造を採用。Z型に折り畳まれる開閉時間はわずか13秒となっている。ニュービートルカブリオレに搭載されているエンジンは2L直列4気筒のみで、駆動方式はFF(2WD)のみとなっている。
ニュービートルカブリオレの中古車は現在、約56台流通していて、価格帯は約35万~約298万円。予算200万円では約53台がターゲットとなる。また、2013年~2016年まで販売された後継車のザビートルカブリオレも、予算200万円以下では約6台の中古車が狙えるようになっている。
そして200万円以下で購入できる中古4シーターオープンカーとして最後に紹介するのが、ミニコンバーチブル。ミニコンバーチブルは3世代流通しているが、予算200万円以下で中心となるのが、2009年~2016年まで販売された旧型だ。日本に導入されたモデルは、クーパーとクーパーSコンバーチブルの2種類。電動開閉式のソフトトップは、わずか15秒で開閉が可能。さらに、時速30km/h以下であれば、走行中でも開け閉めできる。
また、ソフトトップはフルオープンだけでなく、サンルーフのように上部だけを開けることもでき気軽にオープンエアドライブが楽しめる。ラゲッジスペースは、オープンの状態で125L、クローズ時で170Lを確保し実用性も充分。
現在、旧型のミニコンバーチブルの中古車は約62台流通していて、価格帯は約45万~約329万円。そのうち予算200万円では50台が狙えるようになっている。
中古車のオープンカーを購入する際には、電動開閉式であれば、必ず操作を行うこと。そしてルーフのゴムパーツが硬化していないかどうかをしっかりチェックしたい。
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