もっと詳しく
こんなところもリーズナブル!! 軽自動車の高速料金が普通車よりも安い理由

 軽自動車のメリットはいろいろとある。税金などの維持費が安く、燃費にも優れている。もちろんコンパクトなボディは取り回しもいい。

 そして意外と大きいのが、高速料金の安さなのだ。特に東名高速などで長距離走った場合の普通車との差額は大きい。軽が長距離走行に向くのかどうかはとりあえずおいておいて、今回はその金額をご紹介しよう。

文/藤田竜太、写真/ベストカー編集部、Adobe Stock

【画像ギャラリー】道路の種類によっても違う!? 各種割引と組み合わせてより安く!! 軽自動車の高速料金の秘密(5枚)画像ギャラリー


■軽自動車が経済的なのは維持費や燃費だけじゃない

軽自動車の経済的なメリットはいくつかあるが、高速道路の通行料が安いのも魅力のひとつ

 軽自動車は、税金や保険などの維持費が安い、燃費がいいなど、経済的なメリットがいくつかあるが、高速道路の通行料が安いのもひとつの魅力になっている。

 例えば東名高速で、東京→名古屋間(新東名経由314.6km)で比較すると、普通自動車の通常料金は7320円。軽自動車は5890円。

 東北自動車道で浦和(埼玉)から青森まで行くと(674.7km)、普通車1万4000円。軽自動車なら1万1200円となる。

 NEXCO各社の場合、基本的に軽自動車の1kmあたりの高速料金は、普通自動車料金の80%に設定されているからだ。

 一方で、すべての高速道路、有料道路で、軽自動車の料金が優遇されているかというとそうでもないので要注意。

■高速道路・有料道路のいろいろ

高速道路や有料道路にはいくつかの種類がある。道路によって規定が異なるので、利用する前に料金を確認しておいた方が安心できる(sugiwork@Adobe Stock)

 普段あまり意識していないかもしれないが、いわゆる高速道路や有料道路にはいくつかの種類があるので、それをここで整理しておこう。

・高速自動車国道

 高速自動車国道は県境をいくつか越えて、全国的に展開している高速道路網。東名高速や中央道など、「~自動車道」「~高速道路」といった名称で、NEXCO3社が管理・運営を行なっている。

・自動車専用道路

 自動車専用道路は、一般国道自動車専用道路の略称。地方自治体が一部の費用を負担していて、高速自動車国道に比べ、距離が比較的短いのが特徴。東京湾アクアラインや京葉道路などがその代表。

・都市高速道路

 都市高速道路は自動車専用道路(一般国道自動車専用道路)の一種。都市機能の維持と増進を目的に建設されているので、都市部限定の短いルートになっている。

 首都高速道路、阪神高速道路、名古屋高速道路、広島高速道路、福岡北九州高速道路などが、都市高速道路にあたる。

・その他の有料道路

 その他にも地方自治体や高速道路各社が管理する有料道路や有料の橋、さらには箱根ターンパイクや富士スバルラインのように企業などが管理する観光用の有料道路もある。

 これらの高速道路のうち、「高速自動車国道」と「都市高速道路」に関しては、軽自動車は二輪車と同じ走行料金になっていて、普通車よりも安く利用することが可能。

 しかし、それ以外の有料道路については、道路によって規定が異なるので、普通車と同じ扱いになることもあれば、軽自動車は割安というケースもあるので、利用する前に料金を確認しておいた方が安心だ(ETCが使える・使えないに関わらず)。

■軽自動車の高速料金優遇の理由

通行する自動車が路面に与える負荷は少なくない。通行料金から補修費や維持費が賄われているとすると、車重の軽い軽自動車の通行料金が少ないのは割に合っている(blue_moon_images@Adobe Stock)

 そして最後になぜ軽自動車の高速料金が優遇されているのかについても説明しておこう。

 NEXCOではその理由について、

1)軽自動車が道路に与える負荷が他の車種より低い

2)車両が高速道路を空間的・時間的に占有する度合いが少ない

3)高速道路を走行することで得られる便益が少ない

 の3点を挙げている。

 1)については、普通車が1000kg~2000kgぐらいあるのに対し、軽自動車は700kg~1000kgぐらい。車重による道路へのダメージを考えると、普通車料金×0.8は「かなり妥当な線ではないだろうか。

 2)については時間的占有時間に差があるようには思えないが、空間的には○

 3)については、軽自動車の高速道路の最高速度は2000年9月までは80km/hまでに抑えられていたが、今では乗用車と同等まで引き上げられた。ただし疲労度に関しては車種にもよるが、やはり軽自動車の方が疲れやすいのではないだろうか?

 このように高速道路料金がお得な軽自動車だが、休日割引や深夜割引、平日朝夕割引、ETC2.0割引などとの合わせ技で、もっと安価に利用できる方法もある。

 現状、主な高速道路の料金は、軽自動車等、普通車、中型車、大型車、特大車の五段階の設定しかないので、まだまだ公平性には難があるかもしれないが、日本の高速道路の料金は高いので、全体的にもっと安く利用できるよう、利用者がもっと訴えていく必要があるだろう。

【画像ギャラリー】道路の種類によっても違う!? 各種割引と組み合わせてより安く!! 軽自動車の高速料金の秘密(5枚)画像ギャラリー

投稿 最大20%もお得に!!? 軽自動車の長距離移動は高速道路が吉かも自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。