最近ニュースにもなった姫路バイパス・姫路SA(サービスエリア)の相乗り駐車問題。「ほとんど人がいないのに駐車場は満車」という謎を探ってみたら、自分のクルマをSAに駐めて、知人のクルマに相乗りして仕事などへ出かける利用者がいたという報道だ。
SAやPA(パーキングエリア)に正当な理由もなく長時間駐車をするのはもちろんマナー違反。だとしたらSAやPAに徒歩で入場し、知人のクルマに拾ってもらうことは問題ないのだろうか? 近頃は一般道から入れて食事や買い物が楽しめるSA&PAも増えているから、一見OKなようにも思える。早速その疑問を解いてみよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ写真=健太 上田@Adobestock)、ベストカーWeb編集部
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SA/PAは待ち合わせることを想定していない
2005年の日本道路公団の民営化以降、高速道路の利便性は各段に向上した。中でもSA/PAは利用者の声を取り入れ、使いやすさが大きく高まった。そんなサービス向上策の一つとして導入されたのが「一般道からの出入り口の設置」だ。たとえばNEXCO東日本なら「ウォークインゲート」、NEXCO中日本なら「ウェルカムゲート/ぷらっとパーク」といった名称で、一部のSA/PAに一般道から徒歩で入退場できるアクセス路を設けている。
こんな流れもあり、SA/PAに徒歩で入る機会は増えたのだが、ここで誰でも考えるのが、「SA/PAで知人のクルマに乗せてもらったり、降ろしてもらえば便利じゃないか」というアイデア。果たしてこの発想はOKなのだろうか。
結論から言うと、この行為はNG。その根拠なのだが、自動車専用道路などを規制する道路法の第四十八条十一に「出入りの制限」として以下のような規定があるのだ。
「何人もみだりに自動車専用道路に立ち入り、又は自動車専用道路を自動車による以外の方法により通行してはならない」。つまりSA/PAに徒歩で入場し、そこからクルマに乗るということは、道路管理者の認めない「みだりな立ち入り」に該当するというわけだ。
では前述した「ウォークインゲート」「ぷらっとパーク」の存在はなんなのかというと、施設への立ち入りは認めるが、そこでできることは買い物や食事に限られるという理解が正しい。実際そうした施設の入り口には、利用規約として「待ち合わせなどはできない」旨の条項が書かれている場合が多い。また、全国には徒歩で立ち入れないSA/PAもまだまだあるのだが、そういった施設の多くには「歩行者進入禁止」といった看板が立てられている。
高速バス停ではクルマを停めるだけで違反!
ちなみに同じことは高速のバス停にもいえる。バス停には専用の出入り口があり、徒歩でアクセスできるので、ここで友人などに拾ってもらうという考えだが、これもNGなのだ。
その理由だが、一般的に高速道路上でクルマを停止させることは危険に結びつくという判断による。道路交通法が「自動車は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない」と定めているのだ。
いっぽうで道交法は、高速道路上でやむを得ずクルマを停止させられるケースとして、以下の4項目を認めている。
一 駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。
二 故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。
三 乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
四 料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
つまり高速バス停で停車できる資格は、上記の「三」、乗合自動車(=バス)だけに与えられた例外というわけだ。それ以外のクルマが正当な理由なくバス停に停まることはそれだけで違反となるので、人を乗せることはもちろんご法度となるから注意したい。
今後、SA/PAの改革によって、待ち合わせが許可される可能性もなくはないが、少なくとも現在は道路法や道交法違反を問われる場合がある。いろいろと楽しいSA/PAだが、その利用は食事や買い物にとどめよう。
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投稿 SA/PAの相乗りぜったいダメ!! じゃあ徒歩で高速バス停で拾ってもらうのはアリなの? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。