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大きな背中が右に左に揺れる。そんなに急いでどうするのだろう。佐野眞一さんは、とにかく先を急ぐ人だった。取材の現場で、あるいは夜の飲み屋街でも。人をかきわけ、大股で歩き、激しくドアをたたき、時に周囲を辟易(へきえき)させた。 そんな佐野さんの背中を、私は追いかけてきた。憧れながら。…