10月16日、岡山県の岡山国際サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レース in 岡山』のグループ2(Gr.2)決勝レースが行われ、ST-3クラスの63号車TRACY SPORTS RC350TWS(阪口良平/久保凜太郎/水野大)がポール・トゥ・ウインでグループ2を制した。ST-4は86号車TOM’S SPIRIT GR86(河野駿佑/松井孝允/山下健太)、ST-5は88号車村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/太田達也/山谷直樹)がクラス優勝を飾っている。
8時30分にスタートを迎えたスーパー耐久第6戦岡山のグループ2決勝。ST-3、ST-4、ST-5、ST-Qの4台、計27台が参加する決勝レースは朝日が差すなかフォーメーションラップがスタートした。そのフォーメーションラップではST-5の50号車LOVEDRIVEロードスターがウォールに接触しマシンにダメージを負いストップ、このアクシデントによりエクストラフォーメーションラップが宣告された。
50号車の回収完了後に通常のスタート手順から改めてレースが始まると、グループポールポジションを獲得した63号車TRACY SPORTS RC350TWSの阪口を先頭に、シグナルグリーンで各マシンがレースに挑んでいった。
5台が争うST-3はクラス5番手からスタートした39号車エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSの石井宏尚が25号車raffinee日産メカニックチャレンジZの白坂卓也と1周目からバトルを繰り広げ、ヘアピンからの立ち上がりで39号車が前に出る。
レーススタートから1時間が経過しようとしたころ、ST-3の2番手を争っていた52号車埼玉トヨペット GB クラウン RSと15号車岡部自動車フェアレディZ34が接触してしまい、15号車はヘアピンのグラベルエリアにストップ、52号車もマシンにダメージを負いガレージでの修復作業を余儀なくされる。
52号車はマシンチェック完了後すぐにレースに復帰したものの、15号車の回収のためこの日初のフルコースイエロー(FCY)が導入された。FCYはその後セーフティカー(SC)に切り替えられ、ピットオープンになると多くのマシンがピットへ向かう。
ST-3トップを走行していた63号車もこのタイミングでピット作業を行いレースに復帰していくが、ピットレーン出口の赤信号でタイムロス、これによりFCY導入直前にルーティンピットを完了させていた39号車が総合トップに浮上する。
レースは残り1時間40分で再開を迎えると、39号車、52号車、63号車のトップ3で後半スティントに入っていく。だがトップに立った39号車のペースが上がらず、再開直後のヘアピン進入で52号車が39号車のインを突いて首位に立つ。
しかし、その後方からは一時は順位を下げた63号車がペースを上げ、久保凜太郎が服部尚貴のテール・トゥ・ノーズに迫ると、アトウッドカーブから並びかけた久保がヘアピンへの進入でオーバーテイクに成功し、首位を奪還する。
63号車は再び阪口に交代した後もトップを守りきってトップチェッカーを受け、ポール・トゥ・ウインでグループ2決勝を制した。2位には終盤に川合孝汰が猛プッシュをみせた52号車が惜しくも届かず0.635秒で続き、3位は39号車という表彰台になった。
4台のトヨタGR86の争いとなるST-4はクラスポールの86号車TOM’S SPIRIT GR86をトップに、884号車シェイドレーシングGR86が2番手に続く展開でレースが進んでいく。
その後のSC導入タイミングでトップに浮上してきたのは18号車Weds Sport GR86となるが、レース残り1時間ほどで86号車が18号車をかわして再びクラストップに返り咲く。86号車はそのままレースをリードしてクラストップでチェッカー。終盤に18号車をオーバーテイクした884号車が2位に続いている。
最多14台で争われたST-5はクラスポールの88号車村上モータースMAZDAロードスターがホールショットを決める。その背後にはクラス6番手スタートの4号車THE BRIDE FITがポジションを上げて一気に2番手にまで浮上してくる。
その後方には65号車odula TONE HERO’Sロードスターが続くも、ストレートスピードに優る4号車をなかなか追い抜けず、コーナーではFRのロードスターが差を詰め、ストレートではFFのフィットが逃げるという展開が繰り広げられる。
4号車はペースの上がらない88号車との差を徐々に詰め、15周目のヘアピン進入でオーバーテイクを決めてクラストップに躍り出ると、続く周回では65号車も88号車の前に出て2番手にポジションを上げる。トップ争いはその後も4号車、65号車、88号車の3台が1秒以内で争い、残り2時間17分となったヘアピン進入で65号車が4号車をかわしてトップに立つ。
しかし、その後のSC導入時のピットストップを終えてのST-5トップには再び88号車が浮上してくると、そのままフィニッシュまでポジションを守りきってクラス優勝を達成した。クラス5番手からスタートした72号車OHLINS Roadster NATSが追い上げをみせて2位に入り、3位には序盤からトップ争いを繰り広げた4号車が続いている。
そしてグループ2にはST-Qから28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Concept、32号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept、55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept、61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの4台も参加。
ライバル関係でもある61号車と28号車はレース序盤からバトルを繰り広げ、終盤にかけて61号車が先行していく。軽量化も施された61号車はST-3のマシンにも迫る速さを披露してグループ2のST-Q内でトップチェッカーを受け、28号車も快走をみせてクラス2位でフィニッシュしている。
MAZDA SPIRIT RACINGの55号車は序盤から終盤まで安定した走りを披露し、ST-5の上位に食い込む走りでクラス3位フィニッシュ。水素カローラの32号車は石浦宏明がスタートドライバーを務め、レース序盤はST-4に割って入る速さをみせると、その後はおなじみの水素補給を行いながらクラス4位で完走を果たしている。