先日アップルは「iPad(第10世代)」を発表し、10月26日に発売される。画面サイズもデザインも「iPad Air(第5世代)」とほぼ同じで、違いは搭載チップ(A14 BionicとM1)とディスプレイの広色域(P3)仕様の有無、対応Apple Pencilが第1世代か第2世代かという程度に留まり、ユーザーに混乱を呼んでいるとの声もある。
そこで、アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者が、「iPadのラインアップはもっとシンプルであるべき」として、将来的にエントリーレベルの「iPad SE」を含む3段階に整理すべきだと提言しつつ、今後登場する新モデルの見通しを述べている。
これはGurman氏のニュースレター「Power On」にて語られたもので、第10世代iPadの投入により、第5世代iPad Airの位置づけが揺らいでいることを指摘している。上記のわずかな差のために「150ドルを余分に支払うiPad Pro以外のユーザーを見つけてもらいたい」という具合だ。
そこで提言しているのが、エントリーレベル/ミッドティア/ハイエンドといった構造への移行だ。iPhoneがローエンドのSEモデル、スタンダードなiPhone 14、ハイエンドのProモデルとなっていることに、ならうべしとの趣旨が述べられている。これを踏まえたiPadのラインナップは、次のようになるべきとのことだ。
・iPad SE(エントリーレベル):教育機関向けの安価なiPad。ただしアップルは利幅を犠牲にするつもりはないようなので、時間がかかるかもしれない
・iPadとiPad mini(ミッドティア)」新たなエントリーモデル。無印とAir、miniの機能と仕様を統合し、標準サイズとminiサイズの両方で提供する
・iPad Pro(ハイエンド):現在のiPad Proに相当するもの。理想的には、大幅な改良が加えられていること
これらが単なる個人的な提言なのか、それとも何らかの情報に基づいているのかは明らかではない。かつてGurman氏はiPadOSにMacのような「プロモード」を追加すべきだと述べていたが、その後アップルから公式に、新たなマルチタスク機能や外付けディスプレイ対応の「ステージマネージャ」が発表されたこともあった。
また今後の新製品については、他の情報源が伝えてきた「有機EL搭載のiPadが2024年春に発売」との予想が肯定されている。これらは11インチと12.9インチの両方で登場するとのことで、本当であれば現世代の「11インチは従来型液晶ディスプレイ、12.9インチはミニLEDバックライト画面」という差別化の転換となりそうだ。
さらに以前から言及していた、14インチ前後の大型iPadにも触れており、これはProモデルが理想的とのこと。ただし信頼性の高いディスプレイ専門アナリストのRoss Young氏は、ミニLEDを採用するとコストが高くなりすぎるため、大型のiPadは非Proモデルになると述べていた。
最後にGurman氏は、噂の折りたたみ式iPadを「キーボードの代わりにタッチスクリーンを搭載したMac」のような製品になると語っている。ただし「10年後には」とも付け加えており、かなり先の話になりそうだ。
- Source:Bloomberg