もっと詳しく

 ベンツ、BMWなど欧州車のドアモールによくできるアルミ製モールの白サビ。高級車なのに、なぜこんなものができるのか?

 筆者のBMW3シリーズはもうすぐ10年落ち。アルミ製モールに白カビだらけでみすぼらしい。洗車は数カ月に一度は行っているのだが、この白カビだけは頑固で落ちない……。妻からはみすぼらしいので「なんとかして!」と言われる始末。 

 そこで、さっそく解決するべく量販店に足を運んだ。洗車関係の棚を見ると、メッキの汚れ落としがあったので念のため説明書を読むと、どうやらこの商品ではないようだ。日本車のメッキモール対応で、アルミ製モールの欧州車には使えないようだ。

 ほかの棚を探すと、輸入車のアルミメッキモール対象のホルツ製「白サビ除去&コート・ドアモールシャイン」を発見、即購入した。

 はたして、アルミモールに頑固にこびりついた白サビは落ちるのか、実体験レポート!

文/ベストカーweb編集部
写真/ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】なぜできる? 高級車なのにアルミモールに白サビ発生!「まさかここまで取れるとは」を写真でチェック!(12枚)画像ギャラリー

■なぜ白サビができるのか?

リアドア後方のアルミモールにできた白サビ。はたして頑固な白サビは落ちるのか?

 国産車のモールは経年変化でくすみや汚れが発生するものの、白サビは発生しない。なぜ欧州車のアルミモールだけ、白サビが発生するのだろうか?

 日本車のドアモールは樹脂や金属製モールにクロームメッキ処理されたものが使われている。一方、欧州車のモールはアルマイト加工されたアルミ合金モールが使われている。

 やっかいなのは、欧州地域ではできにくく、高温多湿な地域、日本やアジアでこの白カビができやすいこと。

 この白サビの正体は、アルカリサビ。洗車用のシャンプーや水アカ取りなどの洗剤に含まれるアルカリ性の物質がアルミモールと化学反応を起こし、白サビを発生させるというわけだ。

ドア上部のアルミモールに発生した白サビ

■今回の自腹購入した商品はホルツのドアモールシャイン

ホルツの白サビ除去&コート「ドアモールシャイン」。アルミモールを採用する欧州車専用

 今回テストした商品はホルツの白サビ除去&コート「ドアモールシャイン」(価格:2480円)。セット内容はコート剤、コーティングスポンジ×2、マスキングテープ、そして320番/600番/1200番/3500番のサンドペーパーがブロック4面に貼り付けられている。

 この商品は、サンドペーパーで白サビを落として下地処理ができたら、高濃度可撓性レジンコートでコーティングする商品。コーティングをすることで撥水効果を6ヵ月以上持続。白サビの再発を防止する。

■みんな知ってるピカールとWAKO’SのメタルコンパウンドでTRY

左はお馴じみ「ピカール金属磨き」、右はWAKO’Sのメタルコンパウンド

 アルミモールを磨くにあたり、まず頭に浮かんだのが金属磨きのピカール。さっそく家の物置から出してきた。

 そしてバイクのホイールやクランクケース磨きにもよく使っている金属磨き剤「WAKO’S」のメタルコンパウンド。この2品と、ホルツの白サビ除去&コート「ドアモールシャイン」を比べつつ、実際にテストしてみた。

ドアモール部分を3分割に分けた。左側がピカール、中央がWAKO’Sのメタルコンパウンド、右側がホルツのドアモールシャイン

 左側ドアのモールにマスキングテープを貼り、左からピカール、WAKO’Sのメタルコンパウンド、ホルツ製ドアモールシャインで施工してみた。

 ピカールがヤバいくらい落ちると予想していたのだが、液状のピカールは、どちらかというと”細目のコンパウンド”というイメージでひと拭きしただけでは白サビは落ちない。

ピカールで磨き上げたがそこそこのレベルまで白サビは落ちたが……

 WAKO’Sのメタルコンパウンドはペースト状となっており、モールに塗り込みながら拭きこんでいく。ピカールよりも白サビはよくとれる。ただ、ひと拭きだけでは落ちず、3、4回やると白サビはようやく落ちるレベル。ピカールも綺麗になるまで、6回ほど拭き上げてようやく落ちた。

 しかし、改めて乾いた布で拭き上げて角度を変えて、白サビは取れたかな~とよく見ると、ピカール、WAKO’Sともに若干白サビが残っていた。やっぱりサンドペーパーで研磨しないと落ちないレベルだったか……。

メタルコンパウンドはペースト状。ピカールよりは落ちるが根気よくやっていかないと白サビは取れない

■ホルツのドアモールシャインで研磨!

ホルツの白サビ除去&コート「ドアモールシャイン」。4面のサンドブロック、コーティング剤、コーティング用スポンジ、マスキングテープがセットになっている

 続いて、本題のホルツ製ドアモールシャインで研磨開始。ドアモールシャインに付属のブロック4面に320番(著しく劣化した状態)、600番(白サビ進行状態)、1200番(白サビ初期状態)、3500番(最終仕上げ用)が埋め込まれているのだが、愛車のアルミモールの状態は著しく劣化している状態と判断し、320番から施工開始。

320番、600番、1200番、3500番の4面になっているサンドブロック

 320番、600番あたりで研磨していく場合、削りすぎに注意が必要と説明書に書いてあった。削りすぎるとアルマイト加工(皮膜)が剥がれて復元しなくなるとのこと。これは慎重にせねば……。

3M製のスポンジ研磨剤。極細目(スーパーファイン、320~600番相当)、超細目(ウルトラファイン、800~1000番相当)、超極細目(マイクロファイン、1200~1500番相当)を補助的に使用した

 今回、念のために、付属のサンドブロックでは落ちきれないかも、ということで、ほぼ同じ番数の3M製のスポンジ研磨剤を購入。

水をかけながらサンドブロックで研磨していく。かなり根気のいる作業だ

 削りすぎないように、サンドブロックを使って慎重に研磨していった。320番で研磨した後、600番で研磨。白サビがちゃんとなくなっているか、確認しながら作業を行っていった。

 すぐ簡単に落ちると思っていたのだが、そうは問屋が卸さなかった。白サビはかなり頑固で、3Mのスポンジ研磨剤を補助的に使用しながら、結局320番、600番を5回~6回、1200番、3500番を3~4回ほど研磨した。

 最終的に見る角度を変えて、細かくチェックしたが、白サビは見事に落ちていた。やりすぎるのもダメ、アルマイト加工が剝げないように慎重しすぎるとなかなか落ちない、微妙な調整が必要だった。

もう落ちたかなーと、角度を変えて改めて見ると白サビは残っていた……

 左右ドアのモールを終わった後は、疲労感たっぷり。気温の高い夏の施工は無理かもしれない。こんなに汚くなるまで放っていた自分が悪いのだが……。

■コーティングの作業時間は60秒

最後の工程、コーティング剤塗り

 すっかりきれいになったら今度はコーティングだ。付属のスポンジに、コーティング剤を染み込ませ、1カ所60秒以内で塗っていく。この際、ボディに垂れたり、対象部分以外に付着したら素早く拭き取ること。完全乾燥は24時間後、雨や水に濡らさないように注意が必要だ。

 コーティング後、1日経ってアルミ製モールを見てみると、白サビがよく落ちていて、いかにも施工しましたよと主張しているかのようにピカピカに光っている。苦労した甲斐があったというものだ。

 ぜひ欧州車乗りでアルミモールに白サビができている方がいたら、少し寒いくらいのこの時期にぜひTRYしてみては。

白サビがきれいに取れて6カ月長持ちするというコーティング剤を塗って終了! 「妻から落ちたじゃない、凄い」というお褒めの言葉をいただきました

【画像ギャラリー】なぜできる? 高級車なのにアルミモールに白サビ発生!「まさかここまで取れるとは」を写真でチェック!(12枚)画像ギャラリー

投稿 憎きアルミ製ドアモールにできた白サビ すぐ落ちる? 嫁から貧乏くさいから早く落とせ命令下る【やればできる中年オヤジのカーメンテ】自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。