いろいろな自動車メーカーが存在するなか、個性派の代表格がシトロエン。昔は「壊れるクルマ」の代名詞でもあったが、一度その魅力を知ると抜け出せなくなるシトロエン沼にハマる人は世界中にわんさかいる。その魅力はいったいどこにあるのか!? プレミアムブランドとして独立したDSも合わせてたっぷりご紹介!!!
※本稿は2022年9月のものです
文/永田恵一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月10日号
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■シトロエンの歴史
シトロエンはアンドレ・シトロエン氏の手により、1919年に創業。シトロエンのエンブレムはシトロエンのもともとの事業だったシェブロンギア(やまば歯車)に由来している。
シトロエンは創業後小型車や中型車の大量生産で成功したが、アンドレ氏のワンマン経営などによる経営危機もあり、1930年代にミシュランタイヤの傘下に入る。戦後になるとDSをはじめとしたアヴァンギャルドなモデルが目立つようになるが、1970年代に入ると再び経営危機に陥り、1976年にプジョー傘下となるPSAの一員となった。
2019年からはPSAとFCA(フィアット&クライスラー)の合併により誕生した「ステランティス」の一員となり、個性を発揮している。
■シトロエンの4つの凄さ(1)先進性が凄い
1934年に登場した7CVは当時としては夢のような技術、モノコック構造を採用すると同時に、世界初の量産FF車という画期的クルマで、それゆえ7CVはトラクシオン(駆動)・アヴァン(前)の愛称のほうが有名だ。
1934年と言えば、昭和9年、そんな時代にこの先進技術、世界がドギモを抜かれたのは言うまでもない。
■シトロエンの4つの凄さ(2)こだわりが凄い
シトロエンと言えばハイドロ。油圧制御の一種のエアサスで、1955年登場のDSにハイドロニューマチックサスを初搭載し、2012年のC6生産終了までラインナップされた。クルマ界の魔法の絨毯だ。
■シトロエンの4つの凄さ(2)遊び心が凄い
フランスでは14歳以上なら免許なしで運転できるクワトロシクルカテゴリーの超小型EVであるアミをベースに、ワイルドなドアレスとしたのがアミバギーだ。
フランスでは補助金込みで80万円ほどで買えるというから羨ましい。実用性、利便性よりも遊び心を重視するのがシトロエン流ということだ。
■シトロエンの4つの凄さ(3)デザインが凄い
昔からシトロエン車の顔は独特だったが、ここ10年でエスカレート中。日産キューブが先鞭をつけたダブルライトを突き詰めている!!
そのほか衝撃的なクリフカット、空力にこだわったリアスパッツ、美しいボディラインなどデザインが凄い!!
■個性派をバッサリ斬る!! シトロエン&DSの○と×
前述したようにシトロエンはプジョー傘下となって以来、プラットフォームやパワートレーンといったクルマの基幹部分はプジョーと共用である(プラットフォームの世代が対応するモデル同士で異なることはある)。
その典型がプジョーリフターとシトロエンベルランゴだ。この2台は基幹部分を共用しながらも内外装はもちろん、乗り味も「オーソドックスなプジョー、よき伝統であるフランス車らしい個性がより強いシトロエン」と見事に棲み分けている。
そのため、ユーザーもプジョーとシトロエンで迷わない、あるいは矛盾するようだが、プジョーとシトロエンで迷うという楽しみを味わうこともできる。
かつてミドルセダン以上のシトロエンといえば、「雲に乗っているよう」と形容されたハイドロニューマチックサスとセットで語られることも多かった。
現在ハイドロニューマチック搭載モデルはないが、その思想はダンパーの中にセカンダリーダンパーを持つPHC(プログレッシブ・ハイドロリック・クッション)に引き継がれている。
そして、現在のシトロエンで重要な柱となっているのがDSブランドだ。
DSはシトロエンにおいてよりプレミアムかつ個性的なサブブランドとして2010年のDS3からスタート。
DSは2014年にシトロエンから独立したブランドに昇格し、独立以来そのキャラクターの独自性とプレミアム感が年々高まっている。
それだけにDSはシトロエンにより輸入車らしい個性を求める人であれば、検討を強く薦めたいブランドに成長中で、将来も楽しみだ。
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