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プジョー新型408

 クラウン クロスオーバーの登場以降、セダンとSUVを融合させたこの新ジャンルに注目が集まっている。すでにシトロエンが、クラウンによく似たC5 Xを発売済みだが、兄弟関係にあるプジョーも、408をバリバリのクロスオーバーに仕立ててきた。10月に開かれたパリ自動車ショーで正式デビューを飾ったこのプジョーの最新モデルについて、詳細をお伝えしよう。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ステランティス

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508とカブらないアクティブさが自慢

プジョー新型408
プジョー新型408

 まずは新型408のなりたちについて説明しておこう。2010年以降、プジョーは新興国向けに、ハッチバック車308のリアにトランクを付けたセダンを「408」として販売してきた。一方同社は2012年、モデルチェンジの度に末尾の数字をひとつ増やすネーミング手法を辞め、先進国向けモデルは末尾の数字を「8」、新興国モデルは「1」で固定すると発表している。

 つまり新しい408は従来の新興国向けモデルとはまったく関係のないモデルであり、どちらかといえば508に登場によって消滅してしまった「407」の後継にあたる。とはいえ単純に407を復活させては508とキャラがかぶるから、プジョーは、新型408を過去にはない新たなカテゴリーとして生まれ変わらせることにした。それが、新型408がクロスオーバーというスタイルになった理由だろう。

ネコ耳をあしらった萌え要素も!

リアウインドウ両端のスポイラー、通称「ネコ耳」

 実際、408の全長は4687mmで、407セダンの全長4676mmとほぼ同寸なのだが、ボディの造形はまるで異なる。6ライトのウインドウグラフィックと樹脂製オーバーフェンダーを備えた5ドアハッチバックはいかにもアクティブで、どこへでも行けそうな力強さに満ちている。ボディ各部のキャラクターラインも折り目のようにシャープ。リアガラス両脇にある小さなスポイラーは「キャットイヤー(ネコ耳)」と呼ぶそうだ。ちょっとした萌え要素だ。

 ベースとなったプラットフォームはEMP2。308や508と共通だが、408のホイールベースは2787mmと508並みに長いので、リアシートの広さは期待していいだろう。荷室の広さも536Lとたっぷりで、リアシートを倒すと1611Lまで拡大できる。

 パワートレインだが、判明しているのは2種類のプラグイン・ハイブリッド(PHV)と純ガソリン仕様。PHVは1.6L直4ターボと81kWのモーターの組み合わせで、エンジンを150psと180psから選ぶ設定だが、508のPHV同様にエンジンが発電してバッテリーを充電する機能はなく、急速充電器にも未対応だと思われる。いっぽう純ガソリン車は130psを発揮する1.2L直3ターボ。トランスミッションはどのモデルにも8速ATが組み合わされるが、将来はBEV仕様もあるらしい。

日本へは2023年じゅうに上陸か

プジョー新型408
タッチスクリーンやタッチスイッチを多用したプジョー最新の「iコックピット」

 最新の運転支援システムが搭載されることも408のトピックだ。リリースによれば6台のカメラと9台のレーダーを搭載するとのことで、追い越し機能も備えたアダプティブ・クルーズ・コントロールや暗視システム、長距離のブラインドスポットモニターなどを実現しているという。

 308から導入された新世代「iコックピット」ももちろん採用。10インチのタッチスクリーンで多彩なコントロールを実現したほか、音声コマンドにも対応している。ちなみに本国でのトリム(内装)レベルはアリュール、アリュール・プレミアム、GTの順で豪華になるが、日本にどれが導入されるかは未定。

 そんな408だが、パリ自動車ショーでのお披露目と同時に、欧州向け限定モデル「ファースト・エディション」が発売された。その中身だが、PHVモデルをベースに20インチホイールとGTグレードのトリムラインを採用、さらに車載充電器や家庭用充電ボックス、公共充電設備の充電費用無料サービスなどが盛り込まれているらしい。価格はフル装備だけに5万600ユーロ(約739万円)と高価だが、508のハイブリッドGTも現地では約680万円だから、ガソリン仕様は500万円台となるとみていいだろう。

 日本にはいったいいつ来るかだが、ステランティス ジャパンによれば2023年じゅうの導入に向けて検討中とのこと。サプライチェーンの停滞など不確定な要素も多いだろうが、話題のクロスオーバーだけに一刻も早い発表を望みたいものだ。

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