2022年のスーパーGT GT300クラスに、株式会社クレアーレのブランドであるBUSOUとコラボレーションするかたちでニッサンGT-RニスモGT3で参戦したDrago CORSE。第2戦富士では2位表彰台も獲得するなど、一時ランキング上位につけたものの、第4戦富士を前にBUSOUと契約を解除し、以降参戦が実現していない。すでに11月5〜6日に開催される第8戦もてぎのエントリーリストが発表されているが、ここにもDrago CORSEの名はなく、2022年のシーズンを終えることになってしまった。2023年に向けた復活はあるのか、道上龍代表に聞いた。
2021年までホンダNSX GT3を走らせてきたDrago CORSEは、2022年に向け体制を一新。チーム代表とともにドライバーも兼務していた道上は監督となり、BUSOUとのコラボ、柳田真孝/井出有治のコンビでGT-Rを走らせた。第1戦こそポイントまであとわずかという結果だったが、第2戦富士では2位表彰台を獲得。さらに第3戦鈴鹿でも追い上げ6位に食い込むなど、一時はランキング上位につけた。
しかし第4戦を前に、BUSOUとは契約を解除。関係者の情報をまとめるとBUSOU側からの参戦費用の未払いというものが理由で、この件に関しては一部週刊誌報道も出ている。いずれにしても第4戦からの参戦は叶わず、そのまま今シーズンを終えることになってしまった。
スーパーGTでも多くのファンをもつチームだけに、2023年の復活を願いたいところではあるが、Drago CORSEのスーパーGT復帰に向けて道上代表に聞くと「もちろんやることができたらやりたいです。第4戦以降出られなくなってから、さまざまな動きをしていますし、他からの話もあります」と語った。
ただ、「さまざまな動き」のなかには、Drago CORSEとのコラボレーションの話もあったようだ。スーパーGTでは近年、長くシリーズに参戦するチームを守ろうとする規定から常に“参戦枠”の問題があり、新規参入を希望するチームは複数いるものの、枠が手に入らず参戦には至っていない。
Drago CORSEとのコラボレーションというかたちで枠を獲得することは可能だが、その場合どう両者の体制を活かしながら協力するかなど、課題もある。「スーパーGTに参戦するには“ルール”があって、どうルールを守りつつやるか。最悪ダメなら権利を譲渡するしかないかもしれないですけど、なんだかんだで裕福ではないにしろ、守り抜いてきた参戦権ですから」と道上代表。
「今回こんなかたちでシーズン途中で参戦が止まってしまったのは悔しいですが、(来年も)やれたらいいと思っています。別に自分が前に出るつもりもないんですが、僕たちはレースが仕事ですし、勝つためにやっていきたいです。まだもう少し時間はあるんでしょうけど、各方面といろんな話をしながらやっていければ」
まだ具体的に明かせるものはないようだが、一方で道上代表はチーム運営の難しさを吐露する。
「これまでスーパーフォーミュラもそうですが、スーパーGTという国内のトップカテゴリーに携わらせてもらってきた。でも、TEAM IMPULやNAKAJIMA RACING、ARTAなど、長年続けているチームは本当にすごいと思います。歴史もありますし知名度もありますけど、チームを運営していくのは大変だと思うんです」
「僕も僕なりにはやっていますけど、難しいですね」
2022年のスーパーGTは11月5〜6日に最終戦もてぎを迎えることになるが、すでにオフシーズンに向けた動きも活発化しており、GT300でもさまざまな噂が飛び交いはじめている。来季、そんななかで先述のとおりファンが多い、カーナンバー34のマシンがふたたびグリッドに並ぶことを願わずにはいられないところだ。