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 トヨタが開発中のGRヤリスRally2を世界初公開! 11月12日土曜日、愛知県岡崎市のSSでデモラン走行が決定。こいつはビッグニュースだ!

TEXT/ベストカー編集部 PHOTO/TOYOTA

■ラリーファン垂涎!! 伝説のドライバーが競演

 ユハ・カンクネン氏23勝、トミ・マキネン氏24勝。WRC歴代勝利数で7位と6位のレジェンドドライバーが、日本にやってきてその雄姿を見せてくれる。しかも、世界初公開となる「GRヤリスRally2」車両をドライビングして見せるというから、盛り上がらないわけがない。

デモランが行われるのは岡崎市の乙川河川敷で岡崎城も近い(写真は以前のデモラン)

 愛知県と岐阜県で開催されるラリージャパン3日目、11月12日土曜日15時35分スタートの岡崎市乙川河川敷で行われるSS13 直前に、デモランを予定しているという。

 ドライバーは上述のとおり、1993年セリカTurbo4WD(ST185)でドライバーズタイトルを獲得したユハ・カンクネン氏。どんな時も冷静沈着なドライビングはラリードライバーのお手本とされた。

ユハ・カンクネン/1959年フィンランド生まれ。トヨタ、プジョー、ランチア、フォード、スバル、ヒョンデのワークスドライバーとして活躍し、WRC通算23勝。トヨタではセリカ Turbo 4WD ST185でドライバーズタイトルを獲得するなど、4度のチャンピオンに輝く。今シーズンのWRC第9戦ではモリゾウさんのドライブする水素エンジンヤリスのコ・ドライバーを務めた

 ちなみにコ・ドライバー…というか、横に乗るのは『トヨタイムズ』の富川悠太氏で、その凄さをレポートするというから楽しみだ。

 もう1台、モリゾウさんが今年(2022年)のWRC第9戦イープル・ラリー・ベルギーをデモ走行した水素エンジンヤリスも走る。こちらは三菱のランサーエボリューションでWRCを4連覇し、2020年までトヨタのチーム代表を務めたことでも知られるトミ・マキネン氏がドライブ。こちらのお隣には同じく『トヨタイムズ』の森田京之介が乗るという。ちなみにマキネン氏、2004年のラリージャパンでは、インプレッサのゼロカー(競技開始前に安全を確認するオフィシャルカー)をドライブしている。

トミ・マキネン/1964年フィンランド生まれ。1996年から三菱のランエボでドライバーズタイトル4連覇を飾ったレジェンド。三菱のほかスバル、マツダ、日産にも乗り、日本とのゆかりは深い。WRC通算24勝。2017年に復帰したトヨタのチーム代表を2020年まで務め、2018年はマニュファクチャラーズタイトルを2019年、2020年にはドライバーズタイトルをもたらした

「モリゾウさんがデモランに登場する」という予想もあったが、「岡崎のSSはグラベルとターマックがミックスした難しいコースで、レジェンドドライバーたちの凄さを感じてほしい」とコメントし、別のカタチでのサプライズがあるはずだ。

水素エンジンヤリスはスーパー耐久に参戦する水素エンジンカローラのパワートレーンを移植したもの。ベルギーでのデモランではモリゾウさんが運転し、驚きをもって受け止められた

■デモランで走る「Rally2」はいったいどんなモデルなのか?

「Rally2」車両はワークスが参戦するRally1に次ぐクラスで、1.6Lターボ+4WDが基本となり、多くのパーツで市販車と共通となる。シュコダファビアやヒョンデi20N、シトロエンC3、フォードフィエスタなどが活躍しており、いよいよトヨタもこのクラスでの参戦を見据えているということ。

GRヤリスRally2のカタチはまだわからないが、ヒョンデを例にするとi20N Rally 2はi20N Rally 1に比べるとすっきりしたボディになり、市販車に近いことがわかる

 また、大きな特徴として「お金があれば買える」ということ。もちろん3000万円くらいするから誰でも買えるわけではないが、レースで言うならGT3マシンと似ているかもしれない。Rally2に限らず、R車両は本格的にラリーに参戦する人が多い欧州では、整備や部品の供給などサポート体制が組まれ、しっかりとしたビジネスになっている。またRally2クラスで活躍すれば、トップカテゴリーとなるワークスドライバーの道も開けることにもなる。

 トヨタはそういう育成を含めたラリー活動を今後展開することを見据えているはずだ。そしてRally2にとどまらず、Rally3やRally4、Rally5車両の開発も行っていくはずだ。そう考えると、今回のデモランはWRCおよび各国で開催されるラリーというモータースポーツに、トヨタが今後もしっかりと腰を据えて取り組んでいくというメッセージが込められている。

 おそらくGRヤリスRally2がWRCを走るのは2024年からとなる。2024年のラリージャパンでは、勝田貴元選手に続く若手ドライバーがGRヤリスRally2をドライビングする姿が見られるはずだ。

Rally2の場合、市販車ベースのエンジンを使用しなければならず、GR ヤリスRally1が4気筒なのに対して、GRヤリスRally2は3気筒となるはず。また排気量の上限は1620ccで、GRヤリスの1618ccという排気量はぴったりと収まり、改めてGRヤリスがWRCとラリーを見据えたモデルであることがわかる

■FIAが定めるラリーピラミッド

【解説】(国沢光宏)
 WRCに出場できるR車両(大会によってR車両以外も参加OK)はRally1からRally5まである。トヨタやヒョンデなどワークスカーを走らせるのはTOPカテゴリーのRally1でハイブリッドブースト含め最高出力500馬力以上。続くRally2がワイドフェンダー付き専用ボディに290馬力程度の1600ccターボを搭載する4WDで約3000万円(以下現地価格)。Rally 3になるとノーマルボディに240馬力程度の1500ccターボを搭載する4WDで価格1500万円ほど。Rally 4が220馬力程度の1300ccターボ搭載のFF。まぁ800万円です。そしてRally 5は700万円。180馬力程度の1300ccターボを搭載するFFとなる。

■「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」公式サイト

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