スーパーGT 第8戦もてぎ
MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL
大荒れの最終戦で、大嶋/山下組GRスープラが11番手から追い上げ3位表彰台を獲得
スーパーGTの今季最終戦がモビリティリゾートもてぎで行われ、11番手と後方からスタートした大嶋和也/山下健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が大波乱のレースで見事な追い上げを見せ3位表彰台を獲得。14番手スタートのサッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組 KeePer TOM’S GR Supra 37号車が6位。国本雄資/阪口晴南組 WedsSport ADVAN GR Supra 19号車が7位。最後尾スタートの坪井翔/ジュリアーノ・アレジ組 au TOM’S GR Supra 36号車が9位、立川祐路/石浦宏明組 ZENT CERUMO GR Supra 38号車が10位に入り、予選で苦戦したGRスープラ勢は5台がポイント獲得を果たしました。GT300クラスでも、最後までタイトル争いを繰り広げた吉田広樹/川合孝汰組 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が3位表彰台を獲得しました。
2022年シーズンのスーパーGT最終戦となる第8戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』が11月5日(土)、6日(日)の両日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されました。
全8戦で競われている2022年シーズンのスーパーGTもついに最終戦を迎えました。例年スーパーGT最終戦の舞台として恒例となっていたもてぎですが、ここ2年は変則的なスケジュールもあり、他サーキットで最終戦が行われていました。今季、3年ぶりにもてぎに戻って来ました。
この最終戦はサクセスウエイトがゼロになるため、ノーハンデでの争いとなります。
今季のGRスープラ勢は、開幕で14号車がポール・トゥ・ウィン、第4戦で37号車が勝利を飾ったものの、中盤戦以降は苦戦を強いられ、最終戦の今大会では、ランキング5位の37号車、同6位の14号車が、逆転タイトルの可能性を残して臨むこととなりました。他のチームも、最終戦を好成績で締めくくり、少しでも上位のランキングでシーズンを終えるべく、今大会に臨みました。
この週末のもてぎは好天に恵まれ、多くのモータースポーツファンの皆様が集結。イベント広場ではTGRブースも開設され、1年間の応援への感謝を表現した特設ブースの展示など、多くのファンの注目を集めていました。
■予選
5日(土)午前中はやや雲があったものの、昼過ぎには晴れ渡り、気温16度、路面温度27度のコンディションの下、午後2時20よりノックアウト方式の予選が行われました。
GT500クラスのQ1では、今季4度のポールポジションを獲得している19号車の国本が3番手タイムをマークし、上位8台が進出するQ2へと進出。しかし、他のGRスープラ勢はタイムが伸びず、山下14号車が11番手、関口雄飛のDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が12番手、石浦38号車が13番手、宮田の37号車が14番手、坪井の36号車が15番手と、5台がQ1で敗退。決勝レースは後方からの追い上げを余儀なくされることとなりました。
Q2では、孤軍奮闘の19号車を駆る阪口晴南が、これまでのコースレコードを破るタイムを叩き出し、今季5度目のポールポジション獲得かと思われましたが、最後にSTANLEY NSX-GT 100号車にコンマ1秒上回られ、それでも最前列2番手グリッドを獲得しました。
GT300クラスは、Q1は2グループに分けて実施され、それぞれ上位8台ずつがQ2へと進出します。A組では、TGR勢は松井孝允のHOPPY Schatz GR Supra 25号車、織戸学のapr GR86 GT 30号車、三宅淳詞のHACHI-ICHI GR Supra GT 244号車が出走しましたが、30号車が11番手、244号車が12番手、25号車が13番手となり、3台ともにQ2進出はならず。
B組では、高木真一のK-tunes RC F GT3 96号車が5番手タイム。堤優威のmuta Racing GR86 GT 2号車が6番手、川合の52号車が7番手でQ2へと進出。清水英志郎のシェイドレーシング GR86 GT 20号車は惜しくも9番手、吉本大樹のSyntium LMcorsa GR Supra GT 60号車が10番手、今大会がプリウスとしては最後のレースとなるapr GR SPORT PRIUS GT 31号車は中山 友貴のアタックも11番手に終わり、Q1敗退となりました。
Q2では、セッションが中盤を過ぎ、各車アタックに入ろうかというタイミングで、クラッシュが発生し赤旗中断。残り5分で再開されてのアタックとなりました。ここでは吉田の52号車が9番手。加藤寛規の2号車が11番手。新田守男の96号車はアタックラップに入ろうとした最終コーナー立ち上がりで痛恨のスピン。どこにも接触することなく走行を再開しましたが、アタックはできず、15番手グリッドとなりました。
■決勝
6日(日)は快晴となり、気温16度路面温度27度のコンディション。午後1時に栃木県警の白バイとパトカーの先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、63周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
最前列2番手グリッドからスタートを切った国本の19号車は、1周目から抜きつ抜かれつのバトルを展開。後方では、11番手スタートの14号車大嶋が9番手へ、最後尾15番手スタートの36号車坪井も11番手へとジャンプアップを果たしました。
9周目には、前を走る車両の接触によるペナルティなどもあり、14号車は一気に5番手へとポジションアップ。
その後方では、周回遅れとなるGT300クラスの集団に追いついたGT500クラスの車両が接触し、多重クラッシュが発生。スピンした車両を避けきれず、中山雄一がドライブしていた39号車はこれに巻き込まれ、レースを終えることとなってしまいました。
このクラッシュによりフルコースイエロー、その後セーフティカーが導入。この間にストレート上では大クラッシュが発生し、長いセーフティカー走行となりました。
ほぼレースの3分の1を消化する20周を終えたところでセーフティカーが退去し、レースは再開。ドライバー交代が可能となる翌周から次々に各車がピットインしていきました。
早めにピットインする作戦を採った14号車は、素晴らしいピット作業にも助けられてポジションアップ。実質3番手でコースへと復帰すると、首位争いの集団に加わりました。
最後までピットインを遅らせていた坪井の36号車が37周を終えたところでピットイン、全車がピットを終えたところで、14号車が3番手、19号車が6番手。36号車は7番手で復帰。この時点で9番手につけていた宮田の37号車が終盤追い上げを見せ、39周目に8番手、50周目にはチームメイトの36号車アレジをパスして7番手へ。残り3周となった61周目には阪口晴南の19号車もかわして6番手へとポジションを上げました。
GRスープラ勢の最上位を走行する山下の14号車は、再三にわたって1秒以内の差で2番手の車両を追撃しましたが、逆転には至らず。3位でチェッカー。11番手スタートからの追い上げで開幕戦以来今季2度目の表彰台を獲得し、GRスープラ勢では最上位となる、ランキング5位でシーズンを終えることとなりました。
逆転タイトルの可能性を残した37号車も、14番手スタートから8ポジションアップの6位でフィニッシュ。19号車が7位、36号車が9位、38号車が10位に入り、後方グリッドからのスタートを余儀なくされたGRスープラ勢でしたが、大荒れとなった決勝では粘り強い追い上げで5台がポイント獲得を果たしました。
GT300クラスでは、序盤は大きな順位変動がない展開でしたが、GT500クラスの集団が追いついてきた9周目に永井宏明の30号車がスピンを喫し、避けきれなかった25号車らが突っ込む多重クラッシュが発生。フルコースイエローを経てセーフティカーが導入されました。このセーフティカーラン中には、中山友貴の31号車が、ストレート上で急減速した前車に追突し、2台は大破。ドライバーはともに無事でしたが、セーフティカー走行が10周近くに長引く波乱の展開となりました。
レース再開後、24周終了でピットインした52号車が、全車ピット義務を終えた時点で2番手へと浮上。前戦第7戦の優勝により、逆転可能範囲内のランキング5位で今大会に臨んだ川合(吉田は第2戦欠場のため川合のみ)の52号車は、ライバル勢のトラブルなどもあり、一気にチャンピオン争いに浮上しました。
GT300クラスは、一時そのままの順位でフィニッシュすれば52号車の川合を含む3台が同点という僅差の争いとなり、最後までバトルが繰り広げられましたが、52号車の吉田は3位でフィニッシュ。惜しくもチャンピオン獲得はなりませんでしたが、52号車は前戦に続き2戦連続の表彰台獲得で、川合がランキング4位、吉田がランキング5位となりました。ふたり合わせると100歳を超えるベテランコンビで今季に挑んだ96号車はレースを通してトップ10圏内での走行を続け、6位でフィニッシュ。今季8戦中6度目のポイント獲得を果たしました。
●ENEOS X PRIME GR Supra 14号車 ドライバー 大嶋和也
「最終戦もてぎ、なんとか11番手から3位まで追い上げてゴールすることができました。1年間応援ありがとうございました。前半の僕のスティントで、車のフィーリングが昨日から激変して非常に良くなっていたので、これは追い上げられるんじゃないかなと思っていましたが、展開にも恵まれて5位までポジションを上げられました」
「そこからピットのタイミングとかも上手くいって、(山下)健太がコースに戻ったときは3位に上がれたので、これは上手くいったら勝てるかなとも思ったんですが。とはいえ後半は健太が燃費もセーブしながら頑張ってくれて、3位でフィニッシュできたので良かったです」
●ENEOS X PRIME GR Supra 14号車 ドライバー 山下健太
「僕個人は順位を上げられたわけでもなかったんですが、大嶋先輩と、ピット作業が早かったおかげで、ピットを出て行った時点で12号車の後ろにつけられました。その時点で実質3番手につけており、走り出してすぐに車のフィーリングが良いなと感じながらトップ2台に追いついていく展開だったので、もしかしたら勝てるかも知れないなと思ったんですが、燃費との関係とか、他の車両の後ろにつくと自分のペースで走れないところもあって、3位で終わりました」
「それでも11番手スタートから3位フィニッシュというのを考えると、最後にいいレースができたと思います。来年に繋がるレースができて良かったです。1年間応援ありがとうございました」