11月9日、楽天モバイル株式会社は、10月23日に開催された『2022 Inter Proto Series POWERED BY KeePer 第2大会』において、同社が提供する4Gおよび5Gを活用した、リアルとバーチャルを融合したモータースポーツの実証実験を行い、『走行データの遠隔伝送による、リアルとバーチャルを融合したeレースの実施』、および『レースにおけるバーチャルカーのリアルタイム同期AR表示およびカーレース情報のAR表示』の2点の実証・確認に成功したことを発表した。
楽天モバイルは、法人や自治体とパートナーシップを結び、楽天モバイル独自の完全仮想化5Gネットワークを活用した新たなサービスを創出する『楽天モバイルパートナープログラム』を展開している。同プログラムの参加企業である株式会社インタープロトモータースポーツ、株式会社M-TEC、Immersal社の協力のもと、『2022 Inter Proto Series POWERED BY KeePer 第2大会』が開催された富士スピードウェイと、東京都の楽天モバイル 恵比寿店の2カ所で、サーキット走行車とバーチャルカーのレース対決・観戦を実現する実証実験が行われた。
まず、『走行データの遠隔伝送による、リアルとバーチャルを融合したeレースの実施』については、eレーサーが楽天モバイル 恵比寿店でステアリングを握るレーシングシミュレーターソフト(アセットコルサ)に、富士スピードウェイを走行する試験車(インタープロトのワンメイク車両『kuruma』)のデータをリアルタイムで伝送。これによりシミュレーターソフト上で、試験車とバーチャルカーによるeレースが実施された。
サーキットを走行する試験車に搭載したハンドル角度等を計測する各種センサー、GPS、カメラ等から、車両のざまざまなデータを取得・伝送にはM-TECが開発したテレメトリーシステムを活用。これにより、eレース用にバーチャル化された試験車をシミュレーターソフト上に表示。レーシングシミュレーターとサーバーの通信には5G(ミリ波)を活用し、臨場感のあるレース体験を実現したとしている。
そして、『レースにおけるバーチャルカーのリアルタイム同期AR表示およびカーレース情報のAR表示』については、富士スピードウェイの観客席から、楽天モバイルが開発した専用アプリケーションを搭載したスマートフォンをコースにかざす、もしくはスマートグラスを着用しレースを観戦することで、実際にサーキットを走行する試験車と、楽天モバイル 恵比寿店でeレーサーがステアリングを握るバーチャルカーが対決する様子が確認でたという。
また、走行中の試験車とバーチャルカーから得た走行データ(走行位置、走行速度、エンジン回転数など)や、ドライバーの視点映像、およびeレースの画面映像も同アプリ上でAR表示された。なお、本実証実験では、Immersal社のVPS(ビジュアル・ポジショニング・システム)技術が活用され、より高い精度で任意の位置にARコンテンツを表示できたとのこと。
楽天モバイルは「今後、さらなる5G環境の整備により、大規模なリアルとバーチャルを融合したモータースポーツの大会開催や、来場者がどの観客席からでもリアルタイムにレース状況を確認できるようなマルチアングル配信など、より先進的な観戦体験の提供が期待されます。楽天モバイルは今後も、『楽天モバイルパートナープログラム』で共創する様々な企業や団体と協力し、お客様に通信やテクノロジーを活用した新しい体験の提供を目指してまいります」としている。
また、インタープロトでは11月13日に富士スピードウェイで開催される『2022 Inter Proto Series POWERED BY KeePer 第3大会』にて、来場者にこの実証実験の内容を体験できるレーシングシミュレーターをオープンピット(富士スピードウェイ15番ピット)に設置。体験できる人数は限られるとのことだが、福住仁嶺がドライブする37号車のリプレイデータと無料で対戦体験ができるという。
『2022 Inter Proto Series POWERED BY KeePer 第3大会』のレーシングシミュレーターブースの概要は下記のとおりだ。
日時:11/13(日)9:00~15:00(13:20~14:40までYouTubeライブ配信)
場所:富士スピードウェイ15番ピット
内容:福住仁嶺のリプレイデータと10分間対戦体験走行
体験プレイ無料