レクサスSUVモデルのなかではボトムラインを担っているのがUX。
2022年7月にマイチェンを受けたが、レクサスSUVラインナップ中では最安価格となる2Lガソリン車が400万3000円で設定されているのもさることながら、同じプリウスベースのCセグSUVであるC-HRをただ高級にしただけではないセールスポイントがあるのも魅力の一端。
そこでレクサスUXのグローバルな視点での魅力について九島辰也氏が語る。
文/九島辰也、写真/TOYOTA
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■お笑い芸人、霜降り明星の粗品さんもオーナーに
自動車メーカーにおけるSUVの占める割合が増えているのをお気づきであろうか。日本でのラインナップもそうだし、輸入車に関しては本国のホームページを見るとそれがわかる。特にアメリカのマーケットを主戦場とするブランドがその傾向が強い。
4ドアサルーンが王道だったキャデラックも今や販売台数を稼いでいるのはSUV4兄弟だし、フォードに至っては背の低いクルマはマスタング以外はない。SUVとバンとトラックで運営されている。
それじゃ同じく北米をメインマーケットとするレクサスはどうかとみてみると、セダン3モデル、クーペ2モデル、コンバーチブル1モデルに対し、SUVは3モデルとなる。
しかも、日本で販売されていないランクルプラドペースのGXまで数えれば4モデルとなり、やはり最大数となる。販売台数を稼いでいるのもこのジャンルだ。
レクサスSUVモデルのなかではボトムラインを担っているのがUXだ。最近ではお笑い芸人の霜降り明星の粗品さんがUXを購入したことを自身の公式チャンネルのなかで公表し、その溺愛ぶりが話題となっている。
そこで、「レクサス 芸能人」なんて検索してみると、まとめサイトまであった。モデル別に各々芸能人と有名人が挙げられているが、皆さん複数台所有でしょうから、どこまで惚れ込んでいるのかは少々不明だ。
いずれにせよ、レクサスは人気で、そのエントリーモデルとなるUXもしっかりポジションを確保している。
SUVラインナップ中では最安価格となる2Lガソリン車が400万3000円で設定されているのもさることながら、同じプリウスベースのCセグSUVであるC-HRをただ高級にしただけではないセールスポイントがあるということだ。
■UXの魅力は「レクサスであること」
では、その魅力とは何なのかだが、第一に挙げられるのは“レクサス”だからである。言うなれば、“メルセデスベンツ”や“ポルシェ”、“フェラーリ”と同じブランドとして確立しているということだ。
1989年の誕生から23年という若いブランドであるが、すでに定着したといっていいだろう。そういえば、20周年を記念して2019年にコスタリカで国際試乗会が行われたのを思い出した。各モデルの初代を運転させてもらえる希少な体験だ。初代GSが思いのほかカッコよかったのを覚えている。
それじゃレクサスはどんなブランドイメージなのかというと、そこそこプレミアムであって乗っていない人から見ても鼻につかない、といったところだろう。
ビジネスで成功した人が乗るといった感じ。もちろん、乗り方によっては多少ギラギラもするが、それも“ガイシャ”ほどではない。国産車であることがうまい具合にバランスをとっている。
よってUXはまさにお買い得。前述した400万円プラスαでほかの日本ブランドにはないプレミアム感を手に入れることができる。ポルシェだったらマカンが売れているのと同じ理由だ。実に賢いブランドの買い方である。
■乗ったら分かる極上の乗り心地
それと、クルマ自体の作りがいいというのも魅力のひとつ。今回、霜降り明星の粗品さんがそれを動画のなかでも話していた。
しかも、その表現が興味深かった。「クルマ酔いしない」とか「芯がある」といったような言葉で乗り心地や操縦安定性の高さを語っていたからだ。
極端に柔らかくてバウンシングが強かったり、路面の段差でピッチングが発生して身体が揺さぶられたりするものではない、といったことを表現しているのだと思う。サスペンションのセッティングの秀逸さが広く浸透しているようだ。
今年7月に行われたUXのマイナーチェンジでは、ボディ開口部のスポット溶接を増やして剛性を高め、ESPやショックアブソーバーのセッティングを見直しているというからさらに乗り心地はよくなっていることだろう。
18インチのランフラットタイヤも新規に開発してロードノイズを低減させたらしい。ただ、トップグレードのバージョンLは18インチのノーマルタイヤを標準装備するそうだから、乗り心地やハンドリングにこだわるならそちらがオススメとなる。
■レクサスはUXに始まりUXに終わる!?
このほかにもUXの魅力はある。スピンドルグリルがドンと構えるレクサス然としたエクステリアデザインや、トヨタグループの先進技術が搭載されるインターフェイスなどは“買い”の理由だ。
正直遠くから走ってくると、レクサスなのはわかるが、どの車種かはわかりづらい。「RX? あ、NXか、違ったUXだ」というように。“ブランド買い”としてそれは正しい姿となる。
ということで、UXはエントリーモデルとして受け入れられているのだが、それ以外にも重要なマーケットが存在するのを忘れてはならない。
それはLSやES、かつてGSなどを所有していたシニア層。歳を重ねると大きなサイズが面倒になるから自動車に乗る頻度が多い人こそコンパクトカーが必要になる。ということで、ベストなチョイスがUX。プレミアムコンパクトSUVを欲する層はますます増えるんじゃないかな。
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投稿 売れているのは伊達じゃない!? 「レクサス末弟SUV」のUXが愛される理由 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。