スズキのSクロスを覚えているだろうか。WRCも戦ったスズキの隠れた名車「SX-4」の後継モデルとして、2014年から2020年まで「SX-4 Sクロス」の名前で販売されたクロスオーバーSUVだ。
そのSクロス、実は2021年11月にフルモデルチェンジをおこない3代目となった。
欧州ハンガリーのマジャール・スズキが生産し、日本での販売予定はいまのところないが、スタイリッシュな外観やホンダ・ヴェゼルと同寸の扱いやすいボディサイズは、人気車となりそうな可能性に満ちている。この10月にはエスクードと共通のフルハイブリッドも追加されたようだ。
そこで日本導入の期待も込めて、スズキの隠れた新車「Sクロス」の魅力を紹介しよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/SUZUKI
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車格はホンダ ヴェゼルとほぼ同じ
改めて新型Sクロスのなりたちだが、3代目となって「SX-4」の名前が完全にはずれ、「Sクロス」が正式呼称となった(※2代目もオーストラリアや中国ではSクロスだった)。
そのボディサイズだが、全長4300m×全幅1785mm×全高1585mmというディメンジョンはエスクードより125mm長く、ホンダ・ヴェゼルとほぼ同じ車格となる。日本に導入されたとしても使い勝手のよいサイズであることは言うまでもない。
エクステリアでは、従来のスズキ車とは一線を画す精悍なフロントマスクが特長。上部にクロムメッキのバーを配した6角形のフロントグリルに3灯式LEDポジションランプを内蔵したヘッドライトが組み合わされ、今後のスズキ・デザインを感じさせる顔つきだ。
リアはセンターガーニッシュで左右のコンビネーションランプが繋がっており、これまたモダンな印象を与える。
パワートレインだが、純ガソリン仕様とマイルドハイブリッドには1.4L直4ターボエンジン、ストロングハイブリッドには1.5リッター自然吸気デュアルジェットエンジンが搭載される。
前者1.4Lエンジンの出力は130psで、マイルドハイブリッドはその出力に10kWのスターター・ジェネレーターの力が上乗せされる仕組み。後者のストロングハイブリッドは101psのエンジンを24.6kWのモーターでアシストする仕組みで、エスクードに搭載されているものと同じだ。
運転支援システムなどはエスクードを凌ぐ
トランスミッションは、純ガソリンとマイルドハイブリッドではいまどき珍しくマニュアルミッションのみが組み合わされ、ストロングハイブリッドはスズキ独自のシングルクラッチAT「AGS」のみとなる。
これはハイブリッドシステムがAGSとの協調制御を前提に作られているためだが、エスクード同様6速化されており、ステアリング奥のパドルによるマニュアルシフトも可能だ。
駆動方式だが、FFのほかスズキ自慢の4WD「ALLGRIP」が選べる。このALLGRIPは都会派SUVには過剰ともいえるような本格的フルタイム4WDで、走行特性に応じた4種類のモード切り替えが可能。電子的なロック機構も備えているので泥濘地でのスタックといった場面でも効果を発揮してくれそうだ。
このほか4WDモデルでは豪華装備も売りで、統合ナビゲーションシステムやレザーシートパノラマルーフなどが標準装備となるようだ。
ここまでのSクロスの説明ではエスクードと共通するものも多かったが、運転支援や通信といった領域では、登場時期の古いエスクードを大きく凌いでいる点がトピック。
Sクロスにはスマホとの情報連携や緊急通報などが行える「スズキコネクト」のほか、デュアルセンサー・ブレーキサポートやブラインドスポット・モニター、リア・クロストラフィック・アラート、交通標識認識、アダプティブ・クルーズ・コントロールなどが全車標準装備となる。
Apple CarPlayやAndroid Autoにももちろん対応済みだ。
こうして概要を追いかけてくると、Sクロスにはエスクード級の優れた資質があることが分かる。
エスクードは日本車におけるコンパクトSUVの草分けだが、現在では同じマーケットにヤリス・クロスという巨人がいるため、存在感を打ち出しにくい。ここは一回り大きいSクロスを投入して差別化を図るという手もあると思うのだが、スズキ様、日本導入を検討してはくれないだろうか。
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