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 ホンダがSUV市場に新型車を次々投入している。今年4月にはHR-V、7月には新型CR-Vを発表し、10月にはフル電動SUVである「プロローグ」の内外装を公開、さらに11月7日にはミッドサイズSUV「パイロット」を発売した。

 ちなみにこいつは北米での話なのだが、日本だってまるで無関係じゃない。HR-VはZR-Vと名を変えて日本導入されたし、CR-Vは長く日本でも人気SUVだった。北米ホンダの動きは、クルマの動向を知るうえでもとても参考になるのだ。

 というわけで今回は、発売されたばかりの新型パイロットを紹介しよう。はたしてどんなクルマに仕上がっているのだろうか?

文/ベストカーWeb編集部、写真/Honda North America

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全長5mを突破。スクエアで精悍さを強調

4代目となったホンダ パイロット

 まずはパイロットの歴史を簡単に紹介しよう。同車は北米ホンダ(※初代のみカナダ)が生産する中型SUVで、デビューしたのは2002年。CR-Vの兄貴分という位置づけで、約4.8mのボディに3.5リッターV6エンジンを搭載した。アメリカでこそミディアムSUVだが、日本なら堂々たる大型SUVだ。

 パイロットは発売されるやヒット作となり、米「カー・アンド・ドライバー誌」では2002年から5年続けて「Best Large SUV」に選ばれるほど。VTM-4という4WD機構も備えていたことから中東にも輸出され、「MR-V」という車名で販売された。

 ホンダのベストセラーSUVとなったパイロットは2008年に2代目、2015年には3代目が登場して正常進化を続けてきた。今回登場したのは4代目というわけだ。

 その4代目だが、柔らかな曲線基調だった3代目と比べるとスクエアで端精さが強調された印象。Dピラーに加えてCピラーも太くすることで、ボディ後半のエクステリアに力強さを生んでいる。ボディ骨格自体もスポーツドライブを念頭に入れて鍛え上げられたようで、フロント回りの横方向の剛性が60%も強化されたという。

 ボディサイズは一回り大きくなってついに全長が5mを突破。ホイールベースも2890mmへと延長された。その結果パッセンジャースペースが拡大され、大人8人が乗れるゆったりした3列シートレイアウトを実現している。全幅は約2m、高さは18インチタイヤ装着モデルで約1.8mだ。

最強のV6・3.5リッターを搭載しミッションはなんと10速!

太りCピラーとDピラーが力強さを強調

 エンジンは伝統のV6・3.5リッターを踏襲。とはいえ新設計ゆえに燃焼効率やクリーンさがに格段に進化しており、285ps&36.2kgmという過去最強のパワー&トルクを生み出しつつ、CO2削減にも成功した。トランスミッションはなんと10速ATで、ステアリングのパドルでマニュアルシフトも可能にしている。

 ドライブトレインは、ホンダのトルクベクタリング4WD「i-VTM4」の第2世代を搭載。リアデフへ最大70%という強力なトルクがかけられるようになったほか、応答性自体も30%向上しているという。走行状況に応じて5つのドライブモードを選ぶことができ、あらゆる走行ステージに対応する快適さと走破性を兼ね備える。「トレイルウォッチ」というカメラシステムを備えており、悪路での自車の状況をディスプレイを通じて把握することが可能だ。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアが新開発のマルチリンクとなる。

 現代のクルマとあって、最新のスマートテクノロジーを備えていることもニュースだ。メータークラスター内に7インチ(最上級グレードのエリートは10.2インチ)のインフォメーションディスプレイ、ダッシュボード上に9インチ(ベースグレードは7インチ)のタッチ式スクリーンを備え、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応しているほか、1列目、2列目、3列目シートにそれぞれ2つのUSBポートを備える。運転支援機能はアップデートされた最新のホンダセンシングを搭載、ドライバーの疲労などを監視して注意を促すドライバー・アテンション・モニター機能も採用している。

 いかがだったろうか。さすが20年に渡って支持を集めてきた人気SUVだけあって、4代目のぬかりない進化が見て取れる。なかでも悪路走破性についてはホンダの持てる技術が総動員されており、オフロード4WDなみのレベルの高さを実現している。アメリカでは都市型SUVの人気が一巡したため、本格的なオフロード性能が差別化要素として見直されているのかもしれない。こうした技術や装備が日本のホンダ車にどう活かされるのかが楽しみだ。

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