IntelのRaptor Lake-Sについては2021年3月頃にリークされた資料によるとDLVRと呼ばれる低消費電力技術が採用される予定でしたが、ASUSによるとこの機能は何かしらの理由によって無効化された状況になっており将来的な採用が行われるようです。
電圧を最大20%下げられるDLVR機能はRaptor Lake-Sには採用されていない事が確定
Intelでは2020年1月頃にDigital Linear Voltage Regulator(DLVR)と言う技術に関する特許を申請、このDLVRはマザーボードに搭載されている電圧レギュレーターをCPU側にも追加搭載する事で、より緻密に必要となる電圧をCPUに送り込むことが可能となり、消費電力や発熱を抑えるとの事です。
Intelの研究によると、このDLVRによってCPUの電圧は160mVほど低減が可能となっており、CPU本体の消費電力に換算すると20から25%ほどの低下が見込まれるとの事で、Videocardzが2021年末に入手したRaptor Lakeに関するスライドでは『New DLVR Power Delivery』と記載されておりDLVRの搭載が計画されていました。
ただ、Raptor Lake-Sが発売された際にこのDLVRに関する機能紹介は無く、消費電力も大幅な低減は見られていませんでしたがどうやらこのDLVR機能はお蔵入りとなっていたようです。
ASUSのZ790マザーボードではCPU DLVR Bypass Mode Enableと言う設定が残されているのですが、この機能についてASUSのオーバークロックのスペシャリスト、Shamino氏によるとこのDLVRについてはRaptor Lake開発途中でお蔵入りとなったようで、DLVR機能は物理的に無効化されたとの事です。
ただ、このDLVRについては2023年後半に登場が予定されているRaptor Lake Refreshなどに搭載される可能性もあることから、ASUSでは現在は使えないDLVRに関する設定を残しているとの事です。また、DLVRはRaptor Lake-SのES版では動作は可能との事ですので、ES版のRaptor Lake-Sを搭載した上でDLVR設定を有効にすると動作はするようです。
DLVR機能については電圧を20%程度下げられる事から消費電力や発熱の低減が期待されていましたが、Raptor Lake-Sの発売までにこの機能の開発は終わらなかったようでお蔵入りとされてしまったようです。このDLVR機能がどれだけ効果があるのかは不明ですが、Core i9-13900Kなどは最大で300W近い消費電力にも達するため、多少電圧を下げられるだけでもかなり高価はありそうですので、Raptor Lake-Refreshや出来たらCore i9-13900KSから搭載を期待したいですね。
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