2022年9月1日に発売となった新型トヨタ クラウン。全国各地のトヨタディーラーへは、展示車や試乗車の配車が始まった。やっと本格的にクラウンの商談を行える体制が整いつつある。
これまで、歴代クラウンを乗り継いできた人たちからは、「一番いいやつ買うから持ってきて」という声が数多く聞かれたわけだが、大きく様変わりした新型クラウンでは、この風潮も薄まりつつあるようだ。
そこで本稿では、これまでクラウンを乗り継いできた人、そしてこれからクラウンデビューする人、それぞれにおすすめしたいクラウンを選んでいく。見て、乗って、試して、本気の商談ができるようになったクラウンで、買うべきグレードは一体どれなのか、考えていきたい。
文/佐々木 亘 写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部
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■ケース1:クラウンを乗り継いできたAさんには「CROSSOVER G“Advanced”」
歴代クラウンに乗ってきたオーナーは、まず様変わりしたクラウンを所有する想像をして欲しい。
新型クラウンは、もちろんトヨタのフラッグシップモデルだが、歴代同様のクルマではない。大きく変わった部分が多く、ユーザーによっては、デメリットに感じる箇所が出てくることだろう。
とはいえ「不易流行」という言葉通り、クラウンが70年に渡って築き上げてきた品質や品格はしっかりと継承された。クロスオーバーモデルになったことで、一般的なセダンでは味わえない良さを体感できることも多くある。
それでも歴代クラウンユーザーは、大きく雰囲気を変えない方がベターだろう。そこでおすすめなのが「CROSSOVER G“Advanced”」だ。
車両本体価格は510万円。ベースとなるCROSSOVER Gと比較すれば35万円高くなるが、ブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)、ドライブレコーダー(前後方)、パノラミックビューモニターといったドライブサポート機能が標準で搭載される。
また、ハンズフリーパワートランクリッドなどが標準装備となり、ほぼ全部付けに近い状態だ。イメージとしては、ロイヤルサルーンに近い。得も言われぬ安心感がそこにはある。
また、走りのイメージが強まった新型クラウンで、かつてのロイヤルのような、「モチッ、フワッ」という乗り心地を継承したい場合は、−27,500円で選択できるタイヤ・ホイールのインチダウンをおススメしたい。
変更すると装着されるのは、18インチで60偏平(標準は19インチ55偏平)と、SUV調のクルマとしては落ち着いた仕様になり、操作感や乗り心地もマイルドになる。
これまでのクラウンのイメージを壊さずに、新型に触れたいという歴代ユーザーは、Gアドバンスドを基準にして、グレード選びをすると良いだろう。
■ケース2:新型でクラウンに興味を持ったBさんには「X」もしくは「G」
新しいイメージを持っている新規ユーザーにおすすめしたいのは、CROSSOVER X、もしくはCROSSOVER Gだ。クラウンに対してのステレオタイプが無く、イチからクラウンというクルマに向き合える人には、素の状態を楽しめる2グレードを勧めたい。
Xは435万円、Gは475万円とどちらも500万円を切る価格帯だ。
Xではマニュアルシートだが、Gではパワーシート。加えてスマートエントリーシステムをリアドアに搭載するか否か(フロントとラゲッジは標準装備)が、約40万円という差を生み出す。必要な装備かどうかを考え、グレード選択ができると良い。
クラウン初挑戦というユーザーには、価格のアドバンテージがある状態で、新型クラウンに乗ってもらいたい。特にXなら、オプション+諸経費のトータルでも500万円を切る乗り出し価格だ。500万円以下で新型クラウンのドライブフィールを体感できるのであれば、満足度も十分高くなるだろう。
新型になってもリセールバリューには、課題が残るクラウン。残価設定ローンの設定残価率もランクル、ハリアー、アルファードに比べればイマイチであり、手放す際には大幅に減価することが予想される。
今後乗り換えが見込まれる世代では、購入時のトータル金額を小さくし、減価幅を狭くする方が、購入に対するリスクは少ない。
上を見ればキリがないし、クラウンに高級感を求める層が一定数いる限り、クラウンにはずば抜けた上級グレードが必要とされてしまう。しかし、単純に良さを感じるなら、ベースグレードがおススメだ。特にクラウンクロスオーバーのXは、費用対効果が最も高い。
クラウンを高級セダンではなく、カッコいいクロスオーバーSUVと見ることができる新しい世代なら、迷わずXを選び、クルマの良さを存分に感じたいところだ。
今世代のクラウンに関しては、歴代の「全部付け」より、必要なもの選んでコンパクトにまとめる方が満足できると思う。新型装備全搭載のRSよりも、G、Xで自分好みのクラウンにするのが、新型クラウン選びの醍醐味と言えるのではないだろうか。
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投稿 初クラウン40代と常連60代 いったいどのクラウンを選ぶべきなのか? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。