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取るものも取りあえずとばかりに世之介が玄関へ戻る。慌てて台所を出てきたあけみの手には玉ねぎで、「ねぇ、ほんとに何かできることないの?」と、心細い声を出す。 「病院着いたら連絡するから」 世之介はせっかく着替えたにもかかわらず、また雨の中、車に駆け込んだ。 どしゃ降りの中、車庫を出て…