首を長ーくして待っている人が多いのではないだろうか。そう、ルノーの新型カングーのことだ。欧州では2021年春から発売が始まったのに、日本導入のアナウンスはいまのところなし。そうこうしているうちに、欧州ではBEV仕様も発表され、キャンパー仕様のコンセプトカーまで登場した。ここではその最新情報を整理し、日本導入はいつになるのかも予想してみよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ルノー
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日本では小型MPVとして大ヒット
まずはルノー・カングーについておさらいしておこう。ヨーロッパにはもともと、積載性に優れた小型貨物車(フランスではフルゴネットと呼ぶ)の市場があり、カングーもその市場で活躍すべく生まれた。初代は1997年に登場し、日本には2002年に導入されるのだが、発売されるやキュートなルックスとバツグンの走行性能、なんでも積める収納力が優れた小型乗用車として注目を集め、たちまち大ヒットモデルへと昇りつめてしまった。
2007年には2代目が登場し、2009年に日本発売。ボディサイズが大幅に大きくなったことから、売れ行きを不安視する声もあったが、フタを開けてみればこちらも大人気に。ビビッドな外装色をあしらった特別仕様車を定期的に投入するといった戦略も功を奏し、発売以来10年以上にわたって人気を維持するというカルトカー的存在となった。
ちなみにこの2代目導入の2009年から、日本では「カングージャンボリー」というファンミーティングが始まり、現在では日本中から2000台近いカングーが集まる巨大オフ会へと成長している。
とはいえ、近年はその勢いに陰りが見えていたことも事実。最大の要因はプジョー/シトロエンが「リフター/ベルランゴ」というガチのライバルを投入したことだろう。両車は後発モデルゆえにカングーをよく研究しており、カングーの弱点ともいえたADAS系を装備してきた点も大きなウリにしている。
3代目カングーは現代のクルマへと一気にアップデート
もちろんルノーも傍観はしていない。日産と共同開発した「CMF-C/D」という新プラットフォームを使って3代目カングーを作り、2021年4月に欧州で発売したのだ。
14年ぶりのフルチェンジとあって、3代目カングーは一気に現代のクルマへとアップデートされた印象がある。フロントフェイスもモダンなルノー顔になり、さまざまな運転支援システムも搭載された。商用モデルのカングー・バンにはBピラーのない仕様もあり、前ドアとリアのスライドドアを同時に開くと、巨大な荷物を容易に出し入れすることが可能になる。
もう一つ、3代目カングーの特徴は、EVモデルの追加が当初からアナウンスされていたことだ。すでに商用のカングー・バンではEV仕様「E-TECHエレクトリック」が発売済みだし、10月に開かれるパリモーターショーでは乗用モデルにも同様のEV仕様が追加されることが確定している。
カングーの真骨頂ともいえる「遊び」の提案もなされている。この9月にドイツ・ハノーバーで開かれた「IAAトランスポーテ―ション2022」では、カングー・バン「E-TECHエレクトリック」のロングボディをベースにしたキャンパー仕様が参考出品されたのだ。
このクルマは助手席と後席を繋げてフルフラットのベッドが作れる点が特長で、後方にはデスクワークや食事に使えるテーブルや大きな収納も設けられている。ルーフには巨大なガラスルーフが設けられているから車内の採光も申し分ないだろう。このキャンパー仕様はそのまま市販される可能性は少ないが、今後カングーはキャンピングカーのベース車両としても脚光を浴びるかもしれない。
さて、そんな新型カングーなのだが、日本導入はいつになるのだろう。気になるのは、10月16日に山中湖の湖畔で開かれる「カングージャンボリー2022」だ。カングージャンボリーは従来春先に行われてきたのだが、コロナ禍でのオンライン開催を経て、今年は秋に実施される。3年ぶりのリアルイベントだけに参加者の期待も高まっているから、サプライズ的に新型カングーがお披露目される可能性は高い。正式な発表も年内に行われると期待したいが、生産や物流網の状況いかんでは年明けにずれ込む可能性もある。
いずれにしろ、新型カングーの艶姿をナマで見られる日はそう遠くない。今回も息の長いモデルになりそうだから、気になる人は「カングー貯金」でも初めてはいかがだろうか。
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