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TBSの看板ニュース番組「報道特集」の金平茂紀キャスターが、9月いっぱいで同番組のレギュラーを降板することになったと報じられた(※追記あり)。ツイッターで「金平茂紀キャスター降板決定」のキーワードがトレンド入りするなど、ちょっとした騒動になっている。

現在進行中の統一教会問題を含め、自民党政権に対して厳しいスタンスの金平氏を巡っては、その処遇への賛否が真っ二つに分かれた。

TBS「報道特集」公式サイトより

望月記者「伊藤詩織さんへの性暴行事件が理由?」

金平氏の降板は日刊ゲンダイの電子版が1日に報道した。この報道に真っ先に噛み付いたのは、主にリベラル派とみられる人たちだった。

立憲民主党田島麻衣子参院議員は「権力を監視するジャーナリズムが、権力に忖度し始めたら終わりです」とツイートしていた。

あれだけ精力的に取材活動を続けていたのに、なぜ。権力を監視するジャーナリズムが、権力に忖度し始めたら終わりです。

東京新聞記者望月衣塑子氏は、報道特集を「気骨ある金平さんの金平イズムに支えられてきた番組」としたうえで、「伊藤詩織さんへの性暴行事件で民事で敗訴した山口記者を円満退社させたTBSの対応を疑問視していたことと関係あるのか」と降板理由を推測していた。

また、リベラル派とみられる一般ユーザーからも次のような反応が多かった。

日本の報道はついに終了ですね。残るのは大本営発表のみ

事実の報道に政治の圧力か!報道の自由の阻害は民主主義への冒涜だ!!

TBSおかしいだろ?こういうしっかりモノが言える人が今の時代に必要なのに。こんな馬鹿なこと撤回しろ!」

「会社員ならとっくに定年」

一方、金平キャスターの降板を歓迎する向きも少なくなかった。

「テレビ界 バカのクラスターを一掃せよ!」(飛鳥新社)などの著書がある藤原かずえ氏は「これを契機に俗悪番組の『偏向報道特集』がフェードアウトすることを切に望みます」とツイートしていた。

「政府批判=ジャーナリズム」とする幼稚な思い込みをベースに、うんざりするほど公共の電波を悪用して、ひたすら政府を悪魔化することが自己スキーマになっていました。これを契機に俗悪番組の『偏向報道特集』がフェードアウトすることを切に望みます。

「14歳からのアイドル論」(青林堂)、「日本学術会議の研究」(ワック)などの著書がある評論家の白川司氏は皮肉を込め次のようにツイートしていた。

金平茂紀さんがまだ報道特集のMCをやっていたのが驚き。若者に道を譲らない既得権益の世代として、まだまだ老害ぶりをさらし続けてほしい。時代の波に飲まれず、シーラカンスのお一人として頑張ってください。

そのほかに、68歳という金平氏の年齢では「TBSが世代交代を考えるのは当然」とみるユーザーも多い。

68歳だから、組織として新陳代謝は考えるだろう

金平さんは68歳。会社員ならとっくに定年なんだよな

金平さん68歳です。もう定年でしょ。まだ高齢者に働かせるの?

金平キャスターは、東京大学文学部卒業後の1977年にTBS入社。社会部記者、「JNNニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、「筑紫哲也 NEWS23」編集長を歴任。2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。

2004年度には「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。「政治、経済を中心としたものだけでなく、社会や文化を含めた幅広い分野におよび、それも記者個人の感性を大事にした切り口で取り上げている点」(ボーン・上田記念国際記者賞公式サイトより)などが評価されての受賞だった。

日刊ゲンダイによると、金平キャスターの後任はTBS調査報道ユニットのキャップを務める村瀬健介氏が浮上。金平キャスターは、不定期出演の特任キャスターになるという。ただ、過去にも人事が事前に漏れたことで覆るケースも少なくない。果たしてどうなるだろうか。

【追記 17:30】TBSは2日、報道特集のリニューアルを発表。村瀬氏がキャスターに就任し、注目の金平氏の処遇については「様々なテーマに沿った取材に軸足を移し、これまで以上に長い時間をかけて調査報道を行い、特任キャスターとして番組に随時出演する」とした。

金平氏の降板報道を巡ってネットで騒ぎになったこともあり、番組の公式ツイッターが「心配の声たくさん頂いています」と異例の反応。「報道特集は1980年に『調査報道』『現場主義』を掲げスタートし、40年以上続いてきた番組です。その精神を今後も大切にしていきます。視聴者の皆様の信頼に応える内容であるか?これまで以上に厳しい目で見守って頂ければと思います」と呼びかけていた。