2022 AUTOBACS SUPER GT Report
FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE
第7戦 オートポリス
ZENT CERUMO GR Supra
#38 立川祐路/石浦宏明
◆10月2日(日) RACE
決勝結果 15位
思わぬ苦戦となった10月1日(土)の公式予選日から一夜明け、SUPER GT第7戦オートポリスは10月2日(日)の決勝日を迎えた。朝から周辺道路が激しく混雑するなど、多くのファンで賑わいをみせたこの日のオートポリスだったが、気温26度、路面温度46度という10月とは思えぬ暑さのなか、当初予定から5分遅れとなる午後1時35分、決勝レースのパレードラップスタートを迎えた。
ZENT CERUMO GR Supraのスタートドライバーを務めたのは立川祐路。予選15番手だった#37 GR Supraがピットスタートを選択したことから、立川は集団の最後尾からスタートを切ると、1周目にまずは#36 GR Supraをかわし、13番手でオープニングラップを終え、9番手の#39 GR Supraを先頭とした6台の集団のなかで虎視眈々と上位を見据えていった。
レースは8周を過ぎると、GT500車両の前にGT300クラスの集団が現れはじめるが、ここからが立川の真骨頂。まず9周目に前を行く#16 NSX-GTをかわすと、うまくラップダウンを使いながら12周目には#23 Z GT500をパス。これで11番手にポジションを上げる。ただその前方では#39 GR Supraと#3 Z GT500が激しく争っており、立川はこれに付き合うことになってしまった。
立川は三つ巴のバトルを戦っていくことになるが、このままではロスタイムが大きくなってしまう。チームは当初からミニマムでのピットストップを予定しアンダーカットを狙っていたが、そのとおりに24周を終えピットイン。立川から石浦宏明にバトンを繋いだ。
ピットアウト後、ZENT CERUMO GR Supraはずっと前方を走っていた#3 Z GT500を先行することに成功。前を走る#64 NSX-GTとの3台のバトルを展開していった。そんななか、石浦は29周目に軽く接触しながらも、見事#64 NSX-GTをかわし10番手へ。その後は前を走る集団との間隔が離れ、しばらく単独走行となった。
その後石浦の後方からは#36 GR Supraが近づいてくるが、タイヤのコンディションの変化とともに少しずつ後続を引き離しにかかっていく。この時点でピットインしていない車両が2台いたが、このままの順位でフィニッシュすることができれば、7位でしっかりとポイントを獲得することができる。僅差の争いとなっている上位陣に何かがあれば、それ以上のフィニッシュも可能だ。
しかし、レース終盤を迎えた石浦は少しずつ左リヤに違和感を感じはじめた。なんとか走行を続けていた石浦だったが、47周目、最終コーナーを立ち上がろうかというタイミングで左リヤの駆動が突然なくなるのを感じた。チームは緊急ピットインを行うが、左リヤのホイールナットが緩んでおり、トルクピンが折れてしまっているようだった。これで駆動がかからなくなってしまったのだ。
このトラブルにより、結果は15位とは言え、ZENT CERUMO GR Supraはまたもガレージでレースを終えることになってしまった。第3戦鈴鹿、第4戦富士、第5戦鈴鹿とトラブルに見舞われ、フィニッシュを迎えることができなかったが、またしてもゴールまでたどり着くことができなかった。走り切らなければ優勝争いも入賞もない。いったいなぜこんなことになってしまったのか……!? TGR TEAM ZENT CERUMOは原因究明を徹底して進めるべく、車体を前に多くのスタッフが顔をつきあわせ意見を戦わせた。
チャンピオン争いを目指して臨んだ2022年シーズンも、残りは最終戦のみ。しかし目標とはほど遠く、現在ランキングは14位だ。このままでは終われない。チャンピオン争いをするライバルたちに一矢報いるべく、TGR TEAM ZENT CERUMOはふたたび気を引き締めなおし、今季最終戦に臨むべく体制を立て直していく。
ドライバー/立川祐路
「今日は昨日の予選順位を少しでも取り返し、後半の石浦選手に良いかたちでバトンを渡そうと、順調に序盤からオーバーテイクをすることができました。クルマのフィーリングも悪くなかったですし、ポジションを上げてバトンを渡すことができたと思います。結果については……。正直“ダサい”です。残念のひと言ですね。次戦はもう最終戦になってしまいますが、シーズンの最後はしっかりと戦いたいと思います」
ドライバー/石浦宏明
「立川選手が短い前半スティントのなかでもポジションを上げてくれましたが、ピットでもその順位を失わないようにしたいと、チームがうまくアンダーカットできる作戦を組んでくれ、迅速に送り出してくれたことで、アウトラップのペースも良く、順位をさらに上げることができました。その後、左リヤに違和感を感じながらも走行を続けていましたが、後続を引き離そうとしたタイミングで一瞬駆動が抜け、ピットに入りました。詳しい原因はまだはっきりは分かりませんが、今季信じられないほどのリタイア率になってしまっています。チームだけではなく、関係者含めしっかりともう一度見直し、最終戦に挑まなければ許されないくらいの状況になってしまっていると思います。応援して下さる皆さんのためにも、もう一度気を引き締めて準備したいと思います」
田中耕太郎監督
「トラブルの原因については、おそらくホイールナットが緩んでしまい、トルクピンが折れて駆動がかからなくなったのだと推測されます。レースの展開としては、ふた桁得点ができる可能性はありましたが、昨日の予選といい、今日のレースといい、もう一度チームとして考え直さなければならないと思います。第6戦SUGOでは良いレースができていましたが、もうそれが再現されていない。チームとして根本的な取り組み方を考え直さなければいけないと思っています。次戦はもう最終戦ですし、なんとか立て直し、良い結果を残せるよう頑張っていきたいと思います」