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 10月2日、スーパーGT第7戦『FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE』が開催されている大分県日田市のオートポリスで、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表がGTA定例記者会見に出席し、導入に向けて動きを進めているカーボンニュートラル燃料や、坂東代表がこれまで何度も示唆してきたタイヤ開発の方向性などについて、進捗を語った。

 多種多様な車種、自動車メーカーが参戦し、世界的にも希有な存在となっているタイヤのマルチメイクがさまざまなドラマを演出しているスーパーGT。ただ世界的な流れであるカーボンニュートラルに向けた動きはもちろんスーパーGTでも対応しており、現在2023年に向けてカーボンニュートラル燃料の導入が進められていた。

 当初、第5戦鈴鹿の後にテスト日程が設けられる予定だったが、ウクライナ情勢により燃料の到着が遅れ日程が変更になっていたが、このテストが第8戦モビリティリゾートもてぎの決勝翌日にあたる11月7日(月)にもてぎで行われることが明かされた。このテストには希望するチームが参加し、カーボンニュートラル燃料を1チームあたり200リットル使用する予定だという。ただ使用後に余ったものはどうするのかなど、「テストをしながら来季に向けて予定を組みたいと思う」と坂東代表は語った。

 なおこのテストについてはクローズドで行われるものではなく、ファンも観覧可能になる予定だとした。今後モビリティリゾートもてぎからの発表を待ちたいところだ。

 また坂東代表は、第6戦SUGOの後タイヤメーカーとの間で、2023年に向けてタイヤの持ち込み本数を減らす方向で協議をもったと語った。「環境のことを考えながらモータースポーツをやっていく状況で、タイヤメーカーだけでなく、自動車メーカーやチーム、携わる全員がCO2排出削減に向けて考えなければいけない」と坂東代表。

 今後、坂東代表はタイヤメーカーに向けて「もちろん開発なのでグリップも必要」としながら、瞬間的なグリップよりも距離がもつタイヤ、またコンディションに対してのレンジが広いタイヤ開発を求めたいとした。第6戦SUGOでは、雨が降ったり止んだりと路面状況が刻々と変わるレースとなったが、「現状のピンポイントのコンディションで合うタイヤ、チョイ濡れや乾いてきたところで良いタイヤではなく、レンジを広げないといけないと思う。実際にそうやって作るのは非常に困難だが、これが環境に、CO2排出に繋がると思う。それを理解して欲しい」と坂東代表。

 2023年に向けては「タイヤの持ち込み本数も考えていくし、タイヤメーカーだけではなく、みんなでやっていきたい。燃費やブレーキなどもそう。人間は動かないと経済活動になっていかない。そこにCO2排出があるが、カーボンニュートラルに対して、現在使えるものを使いながら、CO2排出を減らしていく」と坂東代表は語った。

 来季に向けては、まだ坂東代表の意向の段階で、さまざまな方面と調整が終わっていない状況であることを示唆しつつ、「タイヤの使用本数を減らしていく」方向だと語った。「もう少し距離や規則などを詰めて、レース距離と持ち込み本数をはっきりさせていきたい」という。

 カーボンニュートラル燃料は直接戦力図を変えるものではないが、タイヤの方向性の変化やレース距離の変化は、スーパーGTの戦い方を変える可能性もあるかもしれない。

「来年のレースに向け、賞金含め本当はこうであるとお伝えしたいが、今後ひとつひとつステップを踏んでいることをお伝えできると思う」