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1970年に「生命科学」という分野の創出に関与し、早稲田大学、大阪大学で教鞭をとった理学博士の中村桂子氏。生物を知るには構造や機能を解明するだけでなく、その歴史と関係を調べる必要があるとして「生命誌」という新分野を創りました。そして、「歴史的文脈」「文明との相互関係」も見つめ、科学の枠に収まらない知見で生命を広く総合的に論じてきました。科学者である彼女が、年齢を重ねた今こそ正面から向き合える「人間はどういう生き物か」「人として生きるとは」への答えを、著書『老いを愛づる』(中公新書ラクレ)として発表。自身が敬愛する各界の著名人たちの名言を交えつつ、穏やかに語りかける本書から、現代人の明日へのヒントとなり得る言葉を紹介します。初回は『北の国から』でおなじみの日本を代表する脚本家・倉本聰氏の名言からスタート。利便性にまみれながらも、不都合や不条理を拭い去ることができない現代人に問いかけます。