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10年大切に乗ったら下取り価格が高騰すること間違いなしの現行国産車3選

 R32~R34型日産スカイラインGT-Rをはじめとした80年〜90年代の国産スポーツカーの中古車が高騰しているのはご存じのとおり。

 また新しいモデルの中では、ホームページで2022年モデルがオーダーストップし、新車が手に入らなくなっている日産GT-Rも値上がりが目立つ。

 GT-Rは2021年8月にGT-R NISMO Special editionを300台限定で、2464万円で販売したが、即完売。現在中古車市場には、新車価格の約2倍の約4888万円以上で取引されており、わずか1年で2倍以上の価格となっているのだ。

 そこで、ここでは現在販売されている現行型国産車の中から10年大切に乗れば、手放す時に驚きの査定価格になると考えられる3台を紹介する。

文、写真/トヨタ自動車、本田技研工業、萩原文博

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値上がりのキーワードは純ガソリンエンジンのMT車

10年大切に乗ったら下取り価格が高騰すること間違いなしの現行国産車3選
GRスープラRZに待望のMT車が追加された

 2050年のカーボンニュートラルに向けて、クルマの電動化は必須条件となっている。いつになるかわからないが、全世界で純エンジン車走行禁止となれば、今高騰している純ガソリン車の価値は一気に下がると思われるが、まずそういうことはならないだろう。

 中古車となってから価値が上がる、手放す時の査定価格が高くなるケースにはいくつかの条件がある。まずは生産台数が少ないことだ。もしくは新車で販売されていたとき不人気で、中古車の台数が少ないことが挙げられる。

 そして現在、高騰している国産スポーツカーを見ればわかるとおり、ハイパワーエンジン+マニュアルトランスミッションのスポーツカーだ。1990年~2000年代に比べると、MT車のスポーツカーはさらに減少しているので、間違いなく高騰するはずだ。それを踏まえて3モデルをピックアップしてみた。

 まずピックアップしたのはGRスープラの6速MT車。現行型スープラは、2019年5月に登場した最上級グレードのRZには3L直列6気筒ターボを搭載し、SZ-R/SZには2L直列4気筒ターボエンジンを採用。組み合わされるトランスミッションは、8速ATのみだった。

 しかし2022年7月の一部改良で、3L直6ターボエンジンを搭載するRZに待望の6速MT車が追加された。2022年は現在、受注中止となっている日産フェアレディZも登場したが、10年後に手放す時の価格が高いのは断然スープラだろう。その理由の一つは流通台数の少なさだ。

 フェアレディZは現在受注中止となっているが、今後デリバリーが進めばそれなりの台数は流通するはず。しかしマグナシュタイナーで生産しているスープラのMT車は、Zほど多くの台数を生産できるとは思えないから。

そのような理由で、現行型の国産車で手放す時の価格が高いモデルとしてまず、GRスープラのMT車を取り上げた。

最後のタイプRとなれば、価値は不変かも

10年大切に乗ったら下取り価格が高騰すること間違いなしの現行国産車3選
現行型シビックタイプRのフロントスタイル

 続いては、国産メーカーでいち早く電動化に取り組み、2040年までに内燃機関のクルマの販売を停止すると発表したホンダにとって、純エンジン車の最後のタイプRとなるかもしれない。シビックタイプRだ。

 現行型シビックタイプRは2022年9月1日に登場。ロー&ワイドのボディデザインを採用し、サイドシルガーニッシュやリアスポイラー などで空力性能を追求しながら、リアフェンダーをボディと一体化したしたことで、流れるような美しいデザインが特長。

 インテリアでは、クルマに乗り込むときの高揚感と運転時に集中できる空間を、赤と黒を用いてハイコントラストに表現。直感認知性を向上させたノイズレスな視界を追求し、反射を抑えた偏光ガンメタリック塗装を採用するなど、ブラック基調のインストルメントパネルを採用している。

 搭載しているエンジンは、先代モデルの 2L 直列4気筒VTEC ターボエンジンをベースに、ターボの刷新などにより、最高出力330ps、最大トルク 420Nm へ向上している。

 高出力化したエンジンに組み合わされるトランスミッションは6速MT、究極のシフトフィールを目指し新設計のシフトレバー構造を採用。レバーの高剛性化と横方向のレバーのガタつき要素を排除し、ダイレクト感と節度感を向上させている。

 さらに、サスペンションに採用した4 輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムの制御が、荒れた路面でも優れた運転操作によるクルマとの一体感とダイレクト感のあるハンドリングを実現している。

 これだけのハイスペックながら、車両本体価格は499万7300円というのはバーゲンプライスだろう。もし、このタイプRをベースにMUGENやホンダアクセスがモデューロXのようなコンプリートカーを作れば、さらに高騰するのは従来モデルで証明されている。

公道を走行できるレーシングカーのGRヤリス

10年大切に乗ったら下取り価格が高騰すること間違いなしの現行国産車3選
限定車のGRMNは標準車より高騰しそうだ

 最後に取り上げるのは、GRヤリス。スイフトスポーツと悩んだのだが、やはり希少性という点でGRヤリスをチョイスした。その中で高騰が期待できるのは1.6Lターボエンジンを搭載したモデルだ。

 2020年9月に登場したGRヤリス。欧州で販売されている3ドアヤリスのボディをベースに、アルミ素材のエンジンフード、バックドア、ドアパネルに加え、形状自由度の高いSMC工法で成形されたCFRP素材のルーフパネルを採用した公道を走れるレーシングカーだ。

 RC、RZに搭載される1.6L直列3気筒ターボエンジンは、最高出力272ps、最大トルク370Nmを発生。組み合わされるトランスミッションはiMTと呼ばれる6速MTを採用。

 駆動方式は、多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用の新開発スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”を採用し高い戦闘能力を秘めたホットハッチだ。

 RCとRZのカタログモデルでも高値が期待できるが、2022年1月に500台で販売されたGRMNならば、さらに高い査定が期待できるだろう。

 特にシビックタイプRやGRヤリスのようにレースで培った技術を導入したスポーツモデルの人気は色褪せない。こういったクルマは所有する悦びだけでなく、手放す時にも喜びを感じられるモデルなのだ。

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