輸入車トップのポジションを目指します!
こんにちは。BMW Team StudieのBOB鈴木でございます。
今シーズンのスーパーGTは、ニューマシンのBMW M4GT3が投入されることもあり、1年振りに監督に復帰することとなりました。どうぞ温かく見守ってください(笑)。
というわけで復活したこちらの連載。今回は第7戦オートポリスラウンドの模様をお届けしたいと思います。
【画像65枚】BMW Team Studie M4 GT3のオートポリスラウンドでの戦いを見る
プロローグ
早いもので残すところ2戦となった今年のスーパーGT。現在のシリーズランキングは5位となり、ここから一気に上位を目指すべくRound.7の戦場となる九州は阿蘇山の麓にあるオートポリスに入った。今回アウガストファルフス選手は欠場となり、優勝したRound.3鈴鹿戦以来の荒選手&近藤翼選手(以下:翼選手)のコンビで天空対決に挑んだ。
10/1練習走行
10月とは思えないほどの高い気温と路面温度は例年より10度以上高く、我々だけではなく全てのチームが頭を悩める事となった。通常スーパーGTで使用するタイヤは5度路面温度が変わるだけで勢力図が変わる。それほどまでにセンシティブな環境でもあるにも関わらず、想定より10度高いのだ。レースに持ち込めるタイヤは6セットのみ。何種類のどんなタイヤを何セットずつ持ち込めているのかが、完全に勝敗を分けるポイントとなった。
ちなみに我々は本命と想定していたタイヤを半分の3セット持ち込んでいたのだが、この路面温度には全くマッチしなかった……。
10/1予選
今回もQ1は荒選手が担当。午前の練習走行から更に路面温度が上昇している事からも、かなりの苦戦が予想されていたが、荒選手はまさに職人と呼ぶにふさわしいアタックを見せ、無事に5番手で通過しQ2の翼選手に繋いでくれた。お見事ッ! Q2の翼選手にはさらなる苦難が予想された。それは、荒選手がQ1で使用したタイヤよりも予選向きではないレースでのロングラップ向きのタイヤで走るしかなかったからだ。正直13位、14位そのあたりの結果を予想していたが、ここでも翼選手はRound.3を彷彿とさせるアタックを見せ、見事10番手というタイムを叩き出してくれた。
これで抽選の結果によるが、スタートタイヤにQ2でのタイヤが選ばれれば明日の決勝がとても戦いやすくなる、と結果を祈っていたらスタートタイヤはQ2になったと朗報が入り、チームの士気は一気に上がった。ここまで流れは悪くない!
10/2決勝日ウォーミングアップ
決勝日、レース前のウォーミングアップ走行は20分。気温は前日以上に暑かったが、レースでのロングラップ向きのタイヤでスタート出来る余裕からか、特に悪い事は考えていなかった。このウォーミングアップでは手持ち最後の一番柔らかいタイヤで走るしかなかったので、最初の周にTOPタイムを叩き出して、それがこのウォーミングアップでのファーステストラップとなった。他チームからは異様な驚きの目で観られてしまった(苦笑)
昨晩は一睡も出来ぬほど今シリーズを占うに最も重要な一戦。その火蓋がついに切られた。荒選手が抜群のスタートで一気に8番手まで順位を上げる。その後は膠着状態に入るが、予定より7〜8周速く荒選手のタイムが徐々に落ちていく。持ち込んだタイヤの中で最もレース向き、高温向きなタイヤでもこれしか持たないのかと天を仰ぐが、タイヤを労ってくれと指示を伝えた上で予定より早く翼選手に代わった。
このピットインは他チームよりもかなり早いタイミングなので、翼選手がコースに戻った時には19番手での復帰となった。その後、上位陣のピットインが始まり、一台また一台と翼選手の順位は上がっていき落ち着いた頃の順位は10番手。予選のポジションに戻った形となり、そこから翼選手のドライブに祈るしかなかった。ここオートポリスでのレースは毎回最後10周にドラマが起こる。通常1stスティントよりも長めに走る2ndスティント後半でのタイヤの状態が最も辛いシチュエーションだからだ。
その予想通りラスト10周目に上位チームの一台がトラブルで脱落し9位にポジションアップ、さぁここからBMW劇場の始まりだ! と思ったが、今ひとつうちもペースを上げられない。それどころかラスト3周あたりから、みるみるタイムの落ちが大きくなりラスト2周で10位に、そしてファイナルラップでは2台にオーバーテイクされ、結果12位という順位でレースを終えた……。
あとがき
ノーポイントである。TOPをひた走る56号車のGT-Rとのポイント差は、これで25ポイントとなり、この瞬間に我々の今シーズンのシリーズチャンピオンの可能性が消滅した。
チームとして最大の目標は勿論シリーズチャンピオンであるが、その次にある目標は最終戦までシリーズチャンプの座を闘う事と毎年決めている。その目標は2つともここで絶たれた。新体制でニューマシンで、さらに新しいタイヤメーカーとのタッグと新しい事だらけの新規なパッケージでいきなりチャンピオン穫れるほど今のスーパーGTは甘くないと言った所だろうか。
たしかにTOPの56号車GT-Rは4年目、2位につける61号車BRZに関して言えば10シーズン目だ。持っているデータ量が全く違うのは否めない。まぁ、これについては継続してやっていくしかないので言っても仕方ない。まずはたくさんのファンからの熱い応援の為にも最終戦を全力で戦おう。現状TOP5チームが日本車チームなので、せめて輸入車ブランドのTOPチームを目指そう! となると敵はAMGの2台。そこをターゲットにモチベーションをキープして、最終戦でもう一度花火を上げたいと思います。
どうぞ引き続き熱い応援のほど宜しくお願い致します。
投稿 ノーポイントで残念ながらシリーズタイトルの可能性は消滅……。【BMW Team Studie監督「鈴木BOB康昭」のSUPER-GT参戦記】第7戦オートポリスラウンド編 は CARSMEET WEB に最初に表示されました。