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 MotoGP第17戦タイGPの決勝レースがチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、MotoGPクラスで優勝したミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、2位のジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3位のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が会見に出席。ウエットコンディションとなったレースを振り返った。
 

■ミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)/決勝:優勝

「難しいレースだった。メンタル面では、どのウエットレースも難しいと思う。少なくともミスはできないし、転倒する可能性もあるわけだから。いい感じで走ってはいたけど、すごく気持ちよく走っていたというわけじゃない」

「ジャックもレース序盤はかなりプレッシャーをかけて(後方を)引き離していたのだと思う。僕としては最後までアタックモードでいられて、それがよかったと思うんだ。決してリラックスできなかった。メインストレートではよく見えなかったから、レース序盤は難しかったよ。まあ、またウエットで勝ててよかったよ」

「ブレーキングではジャック(・ミラー)は間違いなく、僕よりもずっとよかったと思う。特に、1コーナーと3コーナーでは速かったよ。でも僕は、7コーナーから先で追いつくことができた。かなり追いつけたので、それについては驚いた。純粋に僕の走りが少しよかったんだと思う」

「そして、オーバーテイクを考えるくらい、彼に接近できたんだ。最初にトライしたときは、うまくいかなかった。そこでジャックの後ろをキープしながら、すごく速いペースで走っていたペッコ(フランセスコ・バニャイア)との差を少し広げようとしていた。それから接近してパスしたんだ」

「(雨で自分とKTMが強いことが)どういうことなのかはわからない。昨年の序盤に、自分のスタイルに合った、最高のバイクとなるレインセッティングを簡単に見つけていた。そうとしか説明のしようがないな」

「(レインコンディションで)走っていないと、少しアドバンテージがあるだけだと思う。ドライセッションがあって、レースだけがウエットセッションというような場合にね。最初の10分から15分で、すぐによくなっていたよ。もてぎ(日本GP)では、ウエットで走る時間が多かった。それぞれのベストなセッティングを見つける時間が今回よりもあったから、みんなのレベルがかなり近かったんだと思う」

■ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)/決勝:2位

「ミゲールが言ったように、こういう、ウエットになったこともなければウエットで走ったこともないような、ある意味で未知のような状況では、誰が速いのかわかっていたよ。だいたいは僕とミゲール、それから(ヨハン・)ザルコが速いんだ。だいたい僕たち3人が適応できる。正直なところ、今日は(ダニロ・)ペトルッチを懸念していたんだよね。後方からくるかもしれないって」

「でも、いい日だったよ。全体的にポジティブなレースであり、レースウイークになった。バイクはどこでもよく走っていた。もてぎの予選は少し問題があって、ちょっとがっかりだったのだけど、昨日は改善することができた。そして今日はしっかりと結果を出すことができたんだ」

「とてもいいレースだったし、ミゲールとのクリーンでナイスなバトルもできた。接近している中で最後までなんとか彼にかわされまいとプッシュしたんだけど、小さなミスをしたんだ。ミゲールはセクター3、4が本当に速くて、僕はそこでタイムをロスし、セクター1、2で差を取り戻していた。最終ラップでは思い切って勝負を仕掛けようと思ったけれど、彼はもう優勝に向かって走っていて、僕は濡れたところでちょっとミスしてしまった。それでもう終わりだった」

「僕はブレーキングはかなりしっかりしていたけど、しっかりしすぎていたのかも。体重移動が少ない流れるようなパートではちょっとコンタクトが欠けていた。だから今日は、できるところでプッシュして、後半のコーナーでの痛手を最小限に抑えようとしたんだ。結果には満足だよ」

「(チャンピオン獲得の可能性を残していることについて)長い道のりだけど、こつこつとやっていくよ。今日、ペッコ(フランセスコ・バニャイア)は素晴らしい仕事をした。もてぎでの厳しいレースウイーク後、大きなポイントを獲得した。チームにとって素晴らしい日だった。彼らには感謝ばかりだよ。もてぎでも言ったけど、僕たち二人のためにずっと頑張ってくれているから。彼らの頑張りに報いることができればと思っている」

■フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/決勝:3位

「あまりハッピーではないなあ。ウオームアップ・セッションで、新しいセッティングにして、全てが完ぺきだった。ドライコンディションでは今までで最高のウオームアップ・セッションで、ドライレースに向けて準備は万端だったんだ」

「でも雨が降り始めて、ちょっとナーバスになった。そのときジャックがやって来て、『このコンディションでは、自分をもっと信じることだ』と言ったんだ。マンダリカ(インドネシアGP)や日本での、ウエットでの自分のポテンシャルはわかっていた。昨年は雨でも常に強いレースができていた。表彰台を獲得してはいないけど、トップ5には入っていたんだ」

「今日は日本での怒りを思い出し、彼ら(前のライダー)に接近した。ウエットではいつも、ミゲールとジャック、それからヨハンの3人が速い。彼らと一緒に走るのはいいアイデアだったと思う。レース終盤はフロントタイヤに苦戦していたけど、それはみんな同じ状況だったと思うな」

「僕が確認したときはマルク(・マルケス)と1秒以内の差で、僕は彼ら(オリベイラとミラー)に続いて走ろうとしていた。でも、彼らはすごく速かった。マルクがギャップを詰めてきて、僕にオーバーテイクを仕掛けたときにブレーキングのタイミングでロスしているのがわかった。だからそこの部分を改善したんだ。ヨハンが僕をオーバーテイクしようとしなかったのは、これが理由だと思う。つまり、僕のブレーキングが強かったということなんだ」

「前を走るライダーを見ていたら、僕は1、3コーナーで少し差を詰めていた。ちょっとリスキーだったけど、状況はいいと考えていた。それに、ヨハンにも感謝だ。レース終盤に危険を冒さないでくれたから。彼もそう言っていた。僕は速かったし、ブレーキングで強かった。オーバーテイクはリスクがあったからね」

「チャンピオン争いをするこの状況では、残り3戦、とても理性的に、スマートにいなければならない。僕たちのポテンシャルはとても高いと思うのだけど、日本GPやサマーブレイク前のようなミスを犯してはならないんだ。どの状況でも理解してスマートにいなければ。オーストラリアではとても寒いだろうということはわかっている。僕たちはそれに適応しなきゃいけない。でも、いずれにせよ、とても強いレースができると思う」