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「お客さまは神様」じゃない!! 営業マンが「許せない!!!!」と思うモンスター客たち

 「お客様は神様です」。こんな言葉があるが、客だからといって理不尽な要求してもいいというわけじゃない。しかし、世の中には神様気どりで理不尽な要求をしてくる客が絶えない。ここでは現役のディーラー営業マンが実際に遭遇したモンスターのような客をご紹介しよう。

文/関谷明日香、写真/写真AC

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執拗な値引き要求モンスター

「お客さまは神様」じゃない!! 営業マンが「許せない!!!!」と思うモンスター客たち
商談のスタートが「〇〇の購入を考えているんだけど、いくら安くなる?」という客もけっこういるという。これは値引き交渉ではNG行為のひとつ。営業マンも人の子であることは忘れずに

 来店して間髪置かずに「このクルマいくらまで安くなる?」と聞いてくる客はけっこう多いという。何のコミュニケーションもなく、値引きだけ要求する客は営業マンとしてはかなり扱いにくい、嫌な予感のする客。

 もちろん値引き交渉をされるのは営業マンも最初から承知のうえ。がしかし、何の会話もなくいきなり値引きを要求するのは「ちょっと違うのでは?」と思うという。

 「こういうタイプのお客様はたいてい、椅子に座った途端、他のディーラーでとってきた見積りを広げ、この値段より安くできないかと迫ってきます。もっとタチの悪いお客様だと最後は“お前じゃ話にならん。上の者を出せ!”と怒りまくるようなこともありますね……涙」

 信じられないのは、契約後に「よくよく考えたら、もっと安くできるはず」と、さらなる値引きを求めてくる客もいるということ。納得のうえで、判を押したはずなのに……。

 クルマに限らず、どんな商談であっても、まずはコミュニケーションをとって、良好な関係性を築くことが常識。自分の要求だけを押しつける客はモンスター客確定。

無料の飲み物目当て!? のモンスター

「お客さまは神様」じゃない!! 営業マンが「許せない!!!!」と思うモンスター客たち
見積りをとるわけでもなく、延々とお茶をしながら話をしていく客(らしき人)も。これも仕事と思いつつも、正直ツラいという

 ディーラーには無料のドリンクコーナーが設置されていて、商談中や修理を待つ客に無料で飲み物やお菓子を提供するところが多い。もちろん、ほとんどの客はクルマを購入したり、メンテナンスや修理などを受けるという何らかの目的を持って来店している。

 しかし、稀に明らかに何の目的もなく、クルマを購入する気もないような人が時間潰し目的で来店し、無料ドリンクを飲んで無駄話(と思ってはいないのかもだが……)だけして帰るだけの人もいるという。勘弁してくれよ……。これが営業マンの本音だろう。

 「たわいもない会話から購入につながることもあるので、一概に迷惑とも言えないんですけどね」と話すものの……。

 「ただ、しばしば来店されるわりに一度も見積りをとったことがない方もいるんですよね。いつもお茶を飲みながらクルマの批評をして、最後は“見積りはもう少し考えてからにするわ”と帰ってしまう。せめて見積りくらいとってよと思いますね」

 これではただの迷惑な客だ。

ネットの情報が絶対正しいモンスター

「お客さまは神様」じゃない!! 営業マンが「許せない!!!!」と思うモンスター客たち
営業マンに自分が見たネットではこう書いてあったと、スマホを見せてくる客もいるという……

 クルマは決して安い買い物ではないので、購入前にいろいろな情報を集めることは必須だ。そして、ネットは情報を集めるうえでは最高の手段。

 しかしディーラー側からすると、ネットの情報を元に「俺はいろいろ調べ尽くしてきたんだぞ」的なスタンスで来る客には困ることが多いそうだ。

 もちろん、熱心にそのクルマを欲しいと思ってくれるのは嬉しいことだが、ディーラーだってプロ。ネット情報だけではわからない情報や長年の知識や経験値は持ち合わせている。

 「延々とご自身の持っている知識を得意げにお話ししていくお客様がいます。もちろんちゃんとお話はお聞きしますが。正直ディーラーからすると困ることも多々あります。

 ネットだとこのクルマの場合、●●円までなら安くできるはずみたいなことを言う方もいて……。修理などに関しても、ネットで調べたんだけど、こういう修理でいいんじゃないかとか」

 情報収集は大事なことだが、ネットの情報を鵜呑みにしないでプロの意見にも素直に耳を傾けることができる人間でいたいものだ。

思っていたものと違う! 究極のわがままモンスター

 ここ数年、コロナの影響もあり実際にディーラーに来店しないでオンライン上で営業マンともやり取りをしたり、クルマをネット上で購入するということも珍しくなくなった。利便性は高まった反面、今までではありえなかったような客が出現しているという。

 それが、納車の時に「イメージと違う!!!」と大騒ぎする客だという。

 「オンラインの商談は不安という方も多いようです。そのため、お客様に安心していただけるよう、できるだけたくさん会話をしてコミュニケーションをとるようにしています。また、ボディカラーや内装、オプションなど、十分納得していただくようにと努力はしているつもりですが……。

 とはいえ、対面販売の時よりもイメージと違うとおっしゃる方が多いので、ご自身で判断したという明らかな状況証拠を残すようにしています」

 今はオンライン商談はかなり減っている状況だという。やはりクルマの購入にオンライン商談は不向きということか……。

無料で修理を要求するモンスター

「お客さまは神様」じゃない!! 営業マンが「許せない!!!!」と思うモンスター客たち
定期検査をすると驚くほどメンテンナンスされていないクルマは多いという。「国産車は壊れないんじゃないのかーっ!」と逆切れする客も

 理不尽な要求をしてくる人ほどメンテナンスをまったくしていなかったり、無理な乗り方をしている人が多いという。

 「クルマの不具合で理不尽な要求をしてくるお客様の大半はメンテナンスに無頓着な方が多いです。例えば、購入してからオイル交換を一度もしたことがないとかです。そういう方にかぎって、“国産車なのになんで壊れるんだ!”って言ってくるんです」

 国産車だって故障はする……。

 定期点検の時にバッテリーが弱っているので、交換を薦めたにもかかわらず、「今回は交換しなくて大丈夫」と断ったものの、「定期点検を受けたのにバッテリーがあがった。どーなっているんだ!」と、クレームの電話をしてきて、「定期点検から時間が経ってないんだから無料でバッテリーを交換してほしい!」と要求してきた客もいるという。

 なんて理不尽な……。

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