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 2022年11月10(木)~13日(日)に愛知・岐阜の両県で開催される世界ラリー選手権(WRC)2022年シーズン最終戦「フォーラムエイト・ラリージャパン」。いよいよ開催まで一週間に迫った。そんななか、自動車メーカートップのなかで唯一、草の根モータースポーツに自ら参戦を続ける「モリゾウさん」が、WRC開催の意義を当編集部に語ってくれた。

文/ベストカーWeb編集部、画像/TOYOTA

■「音」を聴きに来てほしい!!

 水素エンジンヤリスでWRC第9戦イープル・ラリー・ベルギーのSSを走り、カーボンニュートラルの取り組みをアピールしたモリゾウさんは、「初めてWRCのSSを走ったが、SSのコースを走ることは本当に難しい」と語っている。裏を返せば難しいコースでなければ、WRCのSSにはなりえないということだ。

モリゾウさんは今年(2022年)のWRC第9戦イープル・ラリー・ベルギーのSSを水素エンジンヤリスで走り、その難しさを体感した

『道が人を鍛え、クルマを鍛える』というが、まさにWRCとは過酷な開発の最前線でもある。WRCを走るモンスターマシンからさまざまな技術が市販車にフィードバックされていくことになる。

 そして、モリゾウさんはWRCの魅力にそのレーシングサウンドを挙げる。

「モータースポーツは五感で感じるから共感を生むのだと思います。特に音はWRCを走るマシンたちの躍動感を見るものに感じさせる大事な要素です」

 と、その魅力を教えてくれた。

地元の子どもたちがWRCを見て、クルマ好きになるきっかけになればいい

 ラリーという競技は公道を使うため、地元の協力は不可欠。その結果、地元の皆さんと競技者やスタッフの交流ができるのもラリーの魅力。モリゾウさんはラリージャパンにおいても「地元に根差し、地元が元気になるような大会であってほしい」と語る。

 今回愛知県の三河と岐阜県の東濃地方が競技エリアとなるが、地元に注目が集まり、地域が活性化されれば、大きなレガシーとなるはずだ。

SSの観戦チケットがなくても、リエゾンと呼ばれる移動区間で応援できるのがラリーの魅力だ
モリゾウさんはラリーの魅力のひとつに「音」を挙げる。1台ごとに走るラリー車が、それぞれどんな音を放つのか、興味を持って見るのも面白い

■日本人らしい、おもてなしの心で選手やチームを出迎えたい

 モリゾウさんは、WRCをみんなで盛り上げたい、日本人らしい「おもてなしの心」で選手やチーム関係者を出迎えたいという。

「トヨタには勝田貴元選手がいて、フィンランド人のチャンピオン、ロバンペラ選手がいます。さらにフランス人の前チャンピオン、オジエ選手やイギリス人のエバンス選手もいます。みんながここ日本をホームだと思ってもらえるような雰囲気を作りたいですね」

 さらにモリゾウさんは続ける。

「これはトヨタチームに限ったことではありません。オリンピックやワールドカップの時に事前合宿にやってきた選手たちを地元が応援し、もてなしたと記憶していますが、あの雰囲気は素晴らしい。いろんな国の国旗が翻り、どのチームや選手たちからも、『日本に来てよかった。また日本で走りたいな』と言ってもらえるような大会にできたらいいなと思います」

WRCドライバーはとても気さくで、サインにも気軽に応じてくれるはず

 モリゾウさんの言うとおり、ラリージャパンを盛り上げるのは、ホスト国である我々なのだ。トップカテゴリーの選手や日本人選手だけでなく、すべての選手とチームに温かい声援を送ろう!

 ラリージャパンが日本に根付いていけば、モータースポーツの見方が変わるはずだ。そうなれば、モリゾウさんが言い続けてきたモータースポーツの地位向上が可能となり、モータースポーツから「モーター」の文字が外れ、一般のスポーツとして認知される時がくるはずだ。

モリゾウさんは先日開催されたラリーチャレンジ富士 おやまにも参戦し、ラリージャパンに向けての機運を盛り上げた

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