米マイクロソフト(以下「MS」)が、広告やサブスクリプション(定額制サービス)を組み込んだ低価格のWindows 11 PCを模索している可能性が、同社の求人広告から浮上している。
公式サイトに掲載された「プリンシパルソフトウェアエンジニアリングマネージャー」の求人情報(米現地時間・11月3日時点)によると、MSは「広告とサブスクリプションを活用した低価格PC」を目指しているようだ。
文面だけから詳細を知ることはできないが、おそらくPC本体を安く抑えるのと引き換えに、OS内に広告を表示しつつ、月額あるいは定期的に料金を徴収するしくみと思われる。
さらに、このチームは製品管理および設計チームと連携し、Windows に「クラウドファーストの体験」を推進する使命に沿った新たな使い方」を考案・構築し、「初期の考えを検証するためのプロトタイプ」を作成するという。また「継続的な顧客データと調査を利用」するともあり、実際に商業的に提供し、フィードバックを反映してブラッシュアップを図るようだ。
また「ローカルからクラウドコンピュータまで広がりうる新たなハイブリッドアプリモデルの定義から、Windowsのクラウドイノベーションの次の波をリードする」とも述べられている。つまり、既存のハードウェア向けクラウド版Windowsのさらなる拡大や、新規のシンクライアント型(主要な処理はオンラインやサーバー側で行う低価格デバイス)PCを考えているのかもしれない。
ここ数年のMSは、Windows OSを幅広く展開するため、様々なアプローチを打ち出している。その1つが、昨年8月からサービスインしている「Windows 365」である。クラウド上のWindowsをストリーミングで操作する仮想デスクトップサービスであり、macOSやLinuxのほか、Androidスマートフォンなどからも利用できる。
Windows 365は、ローカルのストレージやハードウェアの性能には依存しない。顧客は新たなマシンへの投資を節約できる代わりに、サブスクリプションの料金を支払うというわけだ。
これらを総合して考えると、「広告がOSレベルに組み込まれた低価格PC」や「Windows 365の広告入り廉価プラン」が考慮されているとも推測できる。
特にWindows 365については、比較的安価なBusinessプランでさえ月額4210円~と、中小企業や個人ユーザーにとっては厳しめの設定であり、裾野を広げるには有効かもしれない。
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