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読了後、最初に口をついて、ふと出た言葉がある。「こんな本、書きたかった。先にやられたぁ……」であった。著者は、網野善彦以降の歴史学、そのソフト化路線の旗手のひとりである。ここでいうソフト化とは、重厚長大な、ハードな歴史学に対しての「言い」である。政治権力や経済などを中心とした歴史…