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Image:Stefano Chiacchiarini ’74/Shutterstock.com

犯罪をテーマとしたゲーム『Grand Theft Auto V』(以下「GTA5」)は、どうしても「人を殺すこと」が避けて通りがたい。しかし、あらゆる手段を尽くした「平和主義」プレイに丸3年も掛けて、犠牲者を最小限に抑えたゲーム実況者が注目を集めている。

「DarkViperAU」ことMatthew Judge氏は、2019年5月25日にこの困難なチャレンジを開始した。合計1000時間を超える27本の動画では、Judge氏がNPCや敵を倒さないように気をつけつつ、『GTA 5』のストーリーを完全プレイした過程が記録されている。もちろん、ミッションをクリアする上で何者かを排除することが必須な場面もあり、誰一人として殺さないことは不可能ではある。

この「平和主義」プレイは、戦闘では他のNPCに撃たせたり、ステルスと戦略を巧みに使っているが、結局のところ凄まじい忍耐力によって達成されている。さらにJudge氏は、チートやMODを使うことを自らに許さない縛りも課していたのだ。

10月3日(現地時間)に公開された最後の動画で、Judge氏は「正直、誰もこんなに時間がかかるとは思わなかっただろう」と語っている。通算では30人が銃火器、他は近接攻撃で、合計96キルに抑えて「平和主義を貫いた」とのことだ。

この96人という数字は多い印象を与えそうだが、実は信じられないほど少なかったりする。たとえば昨年4月にRedditユーザーのTK-576氏が半年かけて「不殺」クリアを終えたと報告していたが、主人公3人の合計キルが726人にもおよんでいた。暴力と犯罪にまみれた「GTA5」では、96キルは実質ゼロ人といってもいいだろう。

このJudge氏による一連の動画は合計3000万回以上も再生され、9万人のチャンネル登録を獲得したとのこと。こうした「コツコツ何かを成し遂げていく(家を建てるなど)」系の動画は固定ファンもつきやすいが、その分YouTuberにかかる負担も大きく、またゴール達成の後も新たな目標の設定が求められやすい。Judge氏のさらなるチャレンジに期待したいところだ。