11月5日、MotoGP第20戦バレンシアGPの予選がスペインのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、MotoGPクラスはホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が今季5度目となるポールポジションを獲得した。タイトル獲得がかかるフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は8番手。タイトル獲得の可能性を残すファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は4番手を獲得し、バニャイアは3列目、クアルタラロは2列目から決勝レースを迎える。
フリー走行3回目は気温16度、路面温度36度のドライコンディション。雲一つない青空が広がり風はほとんどないが、気温は前日よりもやや低め。日陰に入ると寒さを感じる気候となった。
セッション開始直後、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が7コーナーで激しい転倒を喫し、マシンから出火。このために赤旗が提示され、セッションは一時中断となった。ゆるやかに左に曲がる高速コーナーでの転倒で、マシンもベゼッチもグラベルを何度も転がったが、ベゼッチ自身は無事だった。
セッションは中断後まもなく再開された。開始15分、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)が自己ベストを連発してトップをキープ。クアルタラロは6番手、バニャイアは18番手という状況だ。
このセッションは気温の低さもあってか、特に中盤に転倒が相次いだ。ダリン・ビンダー(WithUヤマハRNF・MotoGPチーム))、ラウル・フェルナンデス(テック3KTMファクトリー・レーシング)、そしてエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)やブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)などが転倒を喫している。そのほとんどが右コーナー。リカルド・トルモ・サーキットは左コーナー9に対し右コーナーが5しかなく、転倒が起こった4、10コーナーは左コーナーが続いたあとの右コーナーだった。
残り時間20分を切ると、それまで2番手につけていたジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)、さらにジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップタイムをマークする。残り時間1分にはこのとき2番手だったミラーが1分29秒921を記録し、再びトップに浮上した。
ミラーはそのままトップでフリー走行3回目を終えた。2番手はザルコ、3番手には終盤にビンダーが浮上している。クアルタラロは4番手、5番手はマルク・マルケスだった。バニャイアはしばらくトップ10圏外にいたが、終盤に7番手タイムを記録している。中上は転倒後も走行し、19番手だった。
フリー走行4回目は、ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がトップタイム。クアルタラロが2番手につけ、マルティンが3番手、4番手はポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)、5番手はザルコだった。バニャイアは11番手、中上は20番手でセッションを終えている。
■予選:バニャイアとクアルタラロはともにフロントロウを逃す
予選のQ1は気温24度、路面温度31度のドライコンディションで始まった。このセッションから予選に挑むのは、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、バスティアニーニ、ビニャーレス、中上などの面々である。
序盤はリンスがトップ、ビニャーレスが2番手。しかし残り時間2分を切ってビニャーレスがトップ、リンスが2番手とない、最終的にビニャーレスとリンスがQ1突破を決めた。
まずトップに立ったのはマルティンで、1分29秒621をマークする。後半のアタックではマルク・マルケスが自己ベストを更新するも、マルティンのタイムには0.205秒届かない。クアルタラロは残り1分を切って6番手、バニャイアは8番手につけていた。
マルティンはトップをキープし、今季5度目、2022年シーズン最終戦のポールポジションを獲得した。マルク・マルケスは2番手。ミラーは終盤に転倒を喫したが序盤に記録したタイムで3番手、フロントロウを獲得した。
クアルタラロは終盤に自己ベストを更新して4番手に浮上したあと、最後のアタックに入ったところでオーバーラン。バニャイアは8番手となり、この結果、決勝レースはクアルタラロが2列目4番グリッド、バニャイアが3列目8番グリッドからのスタートとなった。