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木地雅映子(かえこ)さんの『ぼくらは、まだ少し期待している』(中央公論新社)は、軽妙な語りの中で子どもにとって大切なことを丁寧に紡いでいく小説だ。 結婚式を挙げずに済むからと、コロナ禍による自粛の風が吹く中で婚姻届を出したカップルの「昔語り」だと断って物語の幕が開く。語り手は高校3…