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一葉落ちて天下の秋を知る―。秋分を過ぎ、陽の短さや夜風の冷たさを感じるようになる今ごろ、好んで引用される名句である。どこかもの悲しく、澄み渡った空気を思わせる。 この句の出典は詩歌ではない。中国古代・前漢時代の思想書『淮南子(えなんじ)』だ。秋が深まる寒露(かんろ)の候、落葉の感…