ここ数年オリンピックやサッカーに押され、いまひとつ盛り上がりに欠けていた野球が、今年は連日各所から熱い視線を集めています。甲子園では深紅の旗がついに白河の関を越え、プロ野球ではヤクルトが快進撃でリーグ二連覇、オリックスは最終戦で逆転優勝しました。海の向こうではMLBの記録を数々塗り替えた大谷選手は常に注目の的と、今年の野球界の盛り上がりぶりは留まるところを知らないかのようです。この現象には、実は「予兆」がありました。野球をはじめとするスポーツの世界全体が、漫画『巨人の星』に代表されるような“ド根性物語で強い選手を生む”時代から“「科学」で楽しく強くなる“時代へシフトし始めていたのです。