もっと詳しく

 ホンダは2020年2月に登場したフィットが大がかりなマイナーチェンジを行い、10月6日に発表、10月7日から発売する。

 販売が苦境を伝えられるだけに、今回のマイナーチェンジによって巻き返しが図れるのか注目される。

 さて、フィットのマイナーチェンジの内容と、今回新たに追加されたRS(ロードセーリング)について解説する。

文/ベストカーweb編集部
写真/ホンダ

【画像ギャラリー】マイナーチェンジしたフィットのMC前MC後の写真を徹底チェック!(22枚)画像ギャラリー


■2年8ヵ月を経て大がかりなマイナーチェンジ

マイナーチェンジ前のフィットHOME
マイナーチェンジ後のフィットHOME

 2002年(初代)、2008年(2代目)に年間販売台数NO.1となるなど、ホンダのベストセラー車といえばフィットだった。しかし、2020年2月に登場した現行フィットは販売不振にあえいでいる。

 2022年1月~8月のデータを見ると、累計販売台数は4万1227台、平均月販台数は約5153台。月販台数の順位は、7月に最高5位にランクインしたものの、7位~11位を行ったり来たり。対するヤリス(ヤリスクロス含む)は月販台数1位~3位、累計販売台数は11万4300台、平均月販台数は1万4288台。

 今回のマイナーチェンジで不振を挽回できるか、さっそくマイナーチェンジの内容を見ていこう。

■NESSを廃止し、RSを追加

MC前フィットNESSは今回廃止。毎日の通勤時間を気持ちのよいスタートに変える。健康的で快活なフィットネスライフを送る人のために設定された

 グレード体系は、NESSが廃止され、RSが追加。BASIC、HOME、LUXE、CROSSTAR、RSの5タイプのラインナップとなった。 今回のマイナーモデルチェンジは発売以来初の大がかりな改良となり、BASIC、HOME、LUXEはより端正な新デザインに、 CROSSTAR はよりクロスオーバーらしさを強調したデザインとしている。各グレードの特徴は以下の通り。

■BASIC(ベーシック):シンプルで自分らしさが光る基本のタイプ
■HOME(ホーム):生活になじむデザインと快適性を備えたタイプ
■LUXE(リュクス):洗練と上質を兼ね備えたスタイリッシュなタイプ
 フロントノーズをすっきり見えるように形状を変更、アッパーグリルの位置を上げ、HOME/LUXEはその上部にメッキ加飾のラインを水平に通すことで、より端正なデザインに進化
■CROSSTAR(クロスター):週末に出かけたくなるアクティブライフに応えるタイプ
 CROSSTAR専用エクステリアとなるフロント、サイド、リアのガーニッシュをシルバー色に変更。タフギアらしいデザインにすることで、よりクロスオーバーらしさを強調
■RS:デザイン、走りの質にさらにこだわったタイプ
 専用のフロントグリル、フロントバンパー、サイドシルガーニッシュ、リアバンパー、リアスポイラー、アルミホイールの採用でスポーティさを強調
■ガソリン、e:HEVともに1.5リッターエンジンを採用

マイナーチェンジ後のフィットLUXE

 今回の最大のポイントは、ガソリン車のエンジンが1.3Lから1.5Lに変更されたことだろう。低速域から高速域までトルクフルなパフォーマンスを発揮し、日常のさまざまなシーンでゆとりある走りを楽しむことができるようになったという。

 1.5Lの2モーターハイブリッドシステムのe:HEVモデルは、モーター出力を14psアップの123psへ向上、低速域でアクセルを踏み込んだ瞬間から電気自動車のように力強くスムーズに走り出し、気持ち良く伸びる加速感が味わえるという。

マイナーチェンジ前のフィットCROSSTAR
MC後e:HEVクロスター。CROSSTAR専用エクステリアとなるフロント、サイド、リアのガーニッシュをシルバー色に変更。タフギアらしいデザインにすることで、よりクロスオーバーらしさを強調

■安心・安全領域も進化

 進化した安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」※2を全グレードに標準装備。従来の機能に加えて、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、急アクセル抑制機能が新たに標準設定された。またブラインドスポットインフォメーション、後退出庫サポートも新たに追加、タイプ別設定としている。

1:衝突軽減ブレーキ<CMBS>
2:誤発進抑制機能
3:後方誤発進抑制機能
4:近距離衝突軽減ブレーキ
5:歩行者事故低減ステアリング
6:路外逸脱抑制機能
7:渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール<ACC>
8:車線維持支援システム<LKAS>
9:先行車発進お知らせ機能
10:標識認識機能
11:オートハイビーム
12:ブラインドスポットインフォメーション
13:トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
14:急アクセル抑制機能
15:パーキングセンサーシステム
16:後退出庫サポート

 ボディカラーはRS・CROSSTARに専用設定されたHonda新色のスレートグレー・パールを含む全13色を用意。また、2トーンカラーはCROSSTAR専用色とした。

■価格はe:HEV BASICが価格据え置き、CROSSTARが13万4200円アップ

 マイナーチェンジモデルの価格は、まずガソリン車だが、BASICが159万円2800円(FF)、HOME(FF)が182万6000円、CROSSTAR(FF)が207万円2400円、LUXEが214万9400円。

 ガソリン車の値上げ幅は、BASICは3万5200円のアップ、HOMEが5万8300円のアップ、CROSSTARが13万4200円のアップ、LUXEが7万2600円のアップ。

 e:HEVモデルは、BASIC(FF)が199万7600円、HOME(FF)が217万5800円、CROSSTAR(FF)が242万2200円、LUXE(FF)が249万9200円。

 e:HEVモデルの値上げ幅は、BASICが価格据え置き、HOMEが5万8300円のアップ、CROSSTARが13万4200円のアップ、LUXEが7万2600円のアップ。

フィットRSのガソリン車の発売は11月10日の発売

■待望のRSが登場!

今回追加されたRS。ガソリン車とe:HEV、2WDのCVTのみの設定とされる。大口径のブラックグリルやフロントバンパー&リアバンパー、ブラック仕上げのヘッドライトグリルおよびサイドシルガーニッシュ、ブラック&切削光輝アルミホイールを装備
RS専用のスパルタンなコクピット

 注目は専用設計のRSの足回り。標準車に比べ、スプリングレートやダンパーの圧縮/伸び、スタビライザーが大幅に強化されている。

 RSの装着タイヤについても、標準のe:HEVのヨコハマ製ブルーアースA、185/55R16に対し、e:HEV RSはサイズは同じながらヨコハマ製ブルーアースGTと、性能に合わせたスポーティタイヤが装着されている。

 RSのサスペンションは、クルマの操作との挙動が心地よくつながる、操る楽しさを体感できるように「前後ロール合成配分の見直し」、「操舵量に応じたロール姿勢の見直し」「荒れた路面の車体の収まりのよさ」を実現するため、バネレート、ダンパー、スタビライザーブッシュおよびタイヤをRS専用として開発。

 e:HEV RSには、アクセルオフ時の減速力を4段階で選択できる減速セレクター、3つのドライブモードスイッチ(NORMAL/SPORT/ECON)を専用装備とすることで、走りのこだわりに応えている。ただし、MTの設定がないのが残念。

 RSはいつまでも運転したくなる「爽快な乗り味」を実現したという。まさにフィットRSの由来、「ロードセーリング」に相応しいクルマに仕上がっているといえるだろう。

 RSのボディカラーは新色のスレートグレーパール(有料色3万3000円)のほか、プラチナホワイトパール(有料色3万3000円)、プレミアムサンライトホワイトパール(有料色5万5000円)、メテオロイドグレーメタリック(有料色3万3000円)、クリスタルブラックパール、プレミアムクリスタルレッドメタリック(有料色5万5000円)の6色。

 価格は、RSのガソリン車が、標準仕様(ナビ装着スペシャルパッケージforHonda CONNECT)=195万9100円、Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0装着車が215万7100円。

 e:HEV RSは、標準仕様(ナビ装着スペシャルパッケージforHonda CONNECT)=234万6300円、Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0装着車が254万4300円。

 RSの発表・発売日は、e:HEV RSはほかのモデルと同じ10月6日発表、10月7日発売だが、ガソリン車のRSだけは認証の取得タイミングが遅れる影響で11月10日に発売される。

フィットRS(右)の足回りの内容

【画像ギャラリー】マイナーチェンジしたフィットのMC前MC後の写真を徹底チェック!(22枚)画像ギャラリー

投稿 フィットがビッグマイナーチェンジで巻き返し! ガソリン車が1.5Lへ HVも14馬力向上! つ、ついに1.5RSが追加!自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。